人は煩わしい業務をしなくていい—ソフトウェアの最終形現る

addlight journal 編集部  addlight journal 編集部

「来週2名入社するからPCの準備よろしく」

ふいに上司から依頼が来たがPCの在庫がない。慌てて決済をとり購入手続きするも、入社前日に納品され、急いでセットアップ。Wi-Fiを接続し、OSを複数回アップデート。続いて、G SuiteやOffice365のアカウントを払い出し、Google Chromeのインストール、プリンタのインストール、コンピュータ名変更、Norton Antivirusのインストール…気づくと45分経過していた。

これはスタートアップや中小企業ではおなじみの光景だ。大企業なら外注先から派遣された情報システム部門が見ていることが多い。セキュリティに厳しい企業はさらに様々なセットアップを施す必要があり、彼らは漏れなく迅速にそれらを投入することを求められる。その後も保守・点検に加え、「ログインパスワードを忘れたから初期化して」といった“お困りごと”に付き合っていくことになる。

情報システム人材を抱えずとも成り立つ世界がやってきた

そんな業務に疑問を抱き、情報システム部門の自動化を目指すスタートアップが現れた。サンフランシスコの「Fleetsmith」だ。2016年に創業し、大企業のIT・セキュリティ部門や中小企業、スタートアップ等を相手に、コスト削減や業務効率アップ、ネットワーク間のセキュリティ強化等のサービスを提供している。アメリカのトップVCであり、Facebook・Skype・Dropbox・Optimizelyなどにも投資するIndex Venturesからも投資を受けている。

Fleetsmith

彼らの提供するサービスは、Macintoshを対象にセットアップやアップデートを一瞬で終えてしまうというもの。各種ブラウザやMicrosoft Office、Slack等インストール対象物を選択し、数回クリックするだけ。その間わずか20秒。手順を覚える必要もない。しかも、一度に複数のPCに施せる。これにより、常に最新のソフトウェアがインストールされ、セキュリティ対策も盤石の状態を保てるのだ。

ファイアウォールやウイルス対策ソフト導入でセキュリティ盤石という誤解

「Fleetsmithのいいところは、専門知識を持たずとも誰もがセキュリティのベストプラクティスを社内に導入できるという点です。とあるセキュリティの専門家曰く、『デバイスを安全に守るために最も重要なことは、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを導入することではなく、使用しているすべてのソフトやアプリケーションを常に最新の状態に保つこと』。まさにこれをFleetsmithでは実現できるのです」
こう答えるのは、Fleetsmith 共同創業者CEO・Zack Blum氏。

「個人情報を扱う、とくに銀行をはじめとした金融業界やヘルスケア業界の方々にご利用いただいています。顧客は『安全』に対し、その業界のベストプラクティスを追求します。コンプライアンス問題があるため、業界も取引先にそれを求めます。スタートアップや中小企業のようになかなか情報システムに明るい人材を配置できない場合、我々の製品を使っていただくことで信用補完にもなります」

人間は煩わしい作業から解放される

働き方改革が叫ばれて久しい。大手企業がこぞってRPA(Robotic Process Automation)を導入しているのは、機械学習やソフトウェアロボットの先端技術を最大限に活用することで、定型的な人的作業の自動化による業務効率化や生産性向上が見込めるといわれているからだ。

たいていの情報システム部門はやることが多すぎて慢性的な人手不足に陥っている。1つのプロセスのみ自動化するではなく、少しずつ自動化の領域を増やしていくことで本当の意味での自動化につながり、人手不足は解消に向かう。人は煩わしいと思われがちな作業をしなくていいというソフトウェアの最終形がすでに存在しているのだ。