【Helloコワーキング】「Colony」がone and onlyな理由(マレーシア)

addlight journal 編集部  addlight journal 編集部

今年7月、クアラルンプールの中心地にオープンしたコワーキングスペース「Colony」は、ラグジュアリーホテルを彷彿とさせる空間と子育て中の起業家にもやさしいおもてなしで話題となっています。共同創業者のオードリー・オオイ氏と、利用者代表として書道家/Nollyz Malaysia Sdn Bhd代表取締役・石川徳仁氏にインタビュー。Colony、そしてマレーシアで働くことの意義に迫ります。

——創業者お2人のバックグラウンドを教えてください。

オードリー:共同創業者であり、夫のティモシーは多作なブロガーとして活躍していた傍ら、「Netccentric」というSNSを立ち上げて、2015年オーストラリア証券取引所で上場を果たしました。同年、EY Entrepreneur Of The Yearも受賞しました。ColonyはNetccentricに次ぐ新たなスタートアップということになります。私はフルタイムのブロガーとして活動するほか、広告業に従事していました。ティモシーとの間に2歳と4歳の子がいます。

——Colony設立のきっかけを教えてください。
オードリー:ティモシーはKLCC公園をジョギングするのが日課なのですが、ある時周りにいた通勤中の人や携帯電話で話をしている人たちの顔を見たとき、笑顔が消えていることに気づきました。

この20年で私たちの生活水準は著しく向上しました。IT化で異なるコミュニケーションもとれるようになりました。なのに、小部屋に区切られたこれまでどおりの働き方を繰り返し、自分のボスや職場、そして職場で使うラップトップさえも選べるようにはなっていない。技術革新が私たちを生産的にはしましたが、働き方はほとんど改善してこなかったのです。

「もっと働いていることに心地よさを感じられるような職場を創り出せないか?」それがColonyの端緒となりました。私たちは単にコワーキングスペースを運営しているわけではありません。働く環境をより良くしたいと願うオフィス提供者として、社員がより良く働き、会社がより快適になることを妨げるあらゆる要因を取り除きたいと考えています。

——Colonyの名前の由来は?
オードリー: 直訳すると“植民地”ですが、“成長や拡大、あるいは共通の職業や興味関心の下、共棲する人たち”という意味を込めています。

——Colonyのコンセプトを教えてください。

あえて低めの天井としたスペースでは、背丈の低い椅子やテーブル、照明を配置。一面窓につき圧迫感はなく、リラックスを追求

オードリー:「現代版『紳士クラブ』」です。ラグジュアリーな雰囲気を持ちつつ、訪れる人々を快適にさせるような場所ですね。それに合わせたソファや内装、ナチュラルな雰囲気を引き立たせるような照明光を用いています。

——Colonyはどなたがデザインされたのでしょうか?
オードリー:クアラルンプールに拠点を置くインテリア・アーキテクチャー会社「Hoe & Yin Design Studio」です。

——Colonyの利用者属性を教えてください。
オードリー:中規模の企業とスタートアップで半々です。国籍ですと、6割がポルトガルやアメリカ等の国外から入居してきた企業で、残りの4割がマレーシアの企業ですね。

——Colonyの特徴を教えてください。

2Fコワーキングスペース奥にある授乳室。カーテンで目隠しできるよう配慮されている。

オードリー:私たちのビジョンは「企業とその社員に最高の仕事環境を提供する」です。単なるコワーキングスペースを超えてホテルのような経験を仕事にもたらしたいと考えています。マッサージルームやナッピングルーム、プレイルームや授乳室等完備していますし、「クライアントを最大限サポートする」という意味をこめて、コミュニティマネージャーのことを「コンシェルジュ」と呼んでいます。

——子育て中の女性にも配慮した設計はとても素晴らしいと思います。マレーシアで起業する女性が増えているということでしょうか?

オードリー:マレーシアでは女性の54%が仕事に従事しています。私も子がいるので、子育て中の親が心穏やかに仕事できる環境の大切さはよく理解しています。他にもいくつかアイディアを考えているので、実行に移していきたいと思っています。

——契約されている方々はどのようにColonyを活用されていますか?
オードリー:多くは一定期間(月極、または年単位)プライベートオフィスか予約席を利用する契約を結んでいます。登記の登録もできますし、メールの受取りサービスも提供しています。デイパスもあるので一時的な利用も可能です。

コミュニティは非常に積極的です。私たちとしても利用者がお互いをもっと知ることができるように毎月交流イベントを開催しています。

天井高のイベントスペース

ミーティングルームやイベントスペースは企業の方がイベントを開催するために利用してくださることが多いです。例えばランチパーティやセミナー・カンファレンスといったものです。過去にはマイクロソフトやグーグル、メイバンク等といった大手企業や、ある方が週末にバースデーパーティのためにイベントスペースを貸し切られたこともありました。

——ではここで、実際に利用している方に聞いてみたいと思います。石川さんはいつからマレーシアにいらっしゃるのでしょうか?

石川:2012年4月です。家族3人で移住しました。

——マレーシアで起業した背景を教えてください。

石川:日本でも歯科経営コンサルティング業や書道教室の運営等行っていましたが、日本人+起業家+書道家という組み合わせは、マレーシアにおいて希少価値の高い人間として存在できます。それから、マレーシアは国教こそイスラム教ですが、多民族国家。マレー語、中国語、タミル語等使う人がいつつ、英語が公用語。マレーシアのなかでもさまざまなネットワークを作ることが可能です。

——Colonyの決め手はどのあたりにありますか?

石川:何より家から近いところです。ショッピングセンターのKLCCやパビリオンから徒歩5分程度。MRTや公共交通機関も利用しやすいです。それから、Colonyのコンシェルジュはコミュニティ作りがうまいです。フレンドリーですし、いろんなチャンスを持ってきてくれます。

以前、他のコワーキングスペースを使っていましたが、あまり横のつながりがなく、良さが発揮されていませんでした。
——Colonyをどのように活用されていますか?

レンタルオフィスは白を基調としている

レンタルオフィスは白を基調としている

石川:メインのオフィスとして使用しています。コミュニケーションが円滑になるようにと、Colonyが独自のSNSポータルサイトを運営しているので、頻繁に使っています。他の入居企業の方もフレンドリーなので、利用して2ヶ月ですが、いろんなネットワーク作りができています。立地やファシリティ等含めると、他のコワーキングスペースに比べてコスパも良いと思います。
——最後にaddlight journal読者宛にメッセージをお願いします。

オードリー:Colonyでは仕事における柔軟性が企業・社員の幸福を決める大きな要素であると信じています。Colonyの備える施設やサービスを通じて、私達は仕事をより楽しく快適なものにし、ワークライフバランスの向上を図っていきます。

石川:マレーシアはすでに先進国入り目前の国です。かなり成熟した国なので、日本人が人間関係を構築するには非常にニュートラルだと思います。アラブ諸国を始め、アジア各国や欧米から多くの人が来ており、多様性のある職場環境の実現が可能です。

私は7歳の子と3ヶ月の子がいるのですがどこへ行ってもマレーシアはベイビーフレンドリーだと感じます。ビザが年々厳しくなっていますが、依然として起業はしやすいと思います。ただ、ゼロから始めて近年勢いのある会社はかなり少ない状況です。失敗しない経営は可能な環境だと思います。