「どうやっていいスタートアップを見つけているんですか?」「なぜこんなに国内外の有望スタートアップをイベントに集めることができるんですか?」オープンイノベーションのマッチングから事業化、国内外スタートアップの支援等生業としていると、周囲からこうした質問をよく受ける。
メディアで取り上げられていない情報を取りに行くことを心がけているが、決して特別なことをしているわけではない。
SNS、オンラインメディア+オフラインのイベント参加
下記のグラフは、弊社アドライト主催の「Mirai Salon」参加者へのアンケート結果から抜粋したものになる。Mirai Salonではオープンイノベーションに関わる大手企業やスタートアップ、有識者をゲストに迎え、各社の取り組みやナマの声をお話しいただいることもあり、参加者は大手企業でイノベーションに従事する方々が中心だ。
「オープンイノベーションやベンチャーに関する情報を入手したい場合、どんな媒体や場、コミュニケーションを活用されていますか?」との問いに対し、もっとも多かったのがFacebook、次いで同率のNewsPicks、Peatix、日経新聞と続く。
実は、項目にある「Facebook」から「人との会話」にいたるまで、回答しやすいようアンケート用紙のすぐそばに「例」として毎度挙げている。それで具体的な媒体名が挙がっていることをご理解いただいたうえで注目して欲しいのは、Peatixが上位に来ていることだ。質のいい情報を提供する媒体や個人をフォローしているだけでは事足りない。横のつながりをつくるため、もしくは密な情報を引き出すためにネットワーキングも欠かせないことを示唆している。
常にGiveの姿勢を忘れずに
弊社も上記に加え、「体験」「発信」「価値提供」をし続けることも意識している。海外の情報を得たければ足を運び、現地の人たちと交流しネットワークを構築していく。直接触れると、いかに日々フィルタリングされた情報を目にしていたか思い知らされることもある。
そこで得た情報を当メディア等で発信し続けると、今度はスタートアップやイノベーションに詳しい会社または個人と見られるようになる。とくにスタートアップと良好な関係性を築きたいのであれば、価値提供は欠かせない。相手にとって何ができるかを考え抜いて実践するといった、「Give」の姿勢が必要なのだ。
繋がりができると、質の高いコミュニティに属するチャンスも生まれる。クローズドな情報を得る機会に恵まれるが、言い換えるとここでもGiveの精神で価値を持ち寄る必要があることを意味する。互いに高め合うことでコミュニティが発展していくといっても過言ではない。
役立つスタートアップ情報収集ツール
とはいえ、本業がある以上、物理的な制約があるのもよくわかる。効率的にスタートアップの情報収集をしたいということであれば、以下を活用するのも手だ。
- MARR Onlineのメールマガジン(無料)
国内のM&Aに特化したサイト「MARR Online」に会員登録すると、M&A速報が毎営業日2〜3通配信される。 - Google アラート(無料)
キーワードを登録しておくと、それに紐づくウェブ上のコンテンツがメール宛に毎日AMに届く。RSSフィードとして受信も可。 - CrunchBase(無料/有料)
世界最大級と言われるベンチャーのデータベース。ベンチャーの概要やボードメンバー、シリーズごとの資金調達額、投資家、プロダクトなど網羅。これらはTechcrunchの記事に結び付けられ、記事からすぐCrunchBaseに飛べるようになっている。各ページは個人による編集も認められており、誰かが投稿しそれを別の人が編集していくことで情報の追加やアップデートが行われていく。その数1日あたり3,000件から1万件。 - Hacker News(無料)
スタートアップやテクノロジーに関する情報が集まったニュースサイト。ユーザーが記事を投稿すると、他のユーザーがコメントを追加していくというソーシャル形式をとっている。他サイトでは見つけることが困難なディープなものが多い。起業家、起業志望者が集まり、対話や議論ができる場を生み出すことを目標としている。朝と夜の2回更新。Y Combinator運営。 - Product Hunt(無料)
世界中の様々なモバイルアプリ、ウェブサイト、ハードウェア、テックプロダクトなどに関する情報をランキング形式で表示するキュレーションプラットフォーム。どんなテックブログよりも先に情報が集まるとして、スタートアップだけでなく投資家や一般のユーザーも多く利用している。Angel List運営。
編集後記
情報過多の時代、何を信じるか否かは自分次第だが、判断材料は持ち合わせておく必要がある。体験が確かな目や耳を養い、結果的に自信を高めてくれると信じている。もし相手との距離感を計り損ねていたら、お酒の力を借りるのも手だ。まずはここから始まるという社員もいるくらいだ。
Grab a drink !!