【香港スタートアップ事情】人工知能を活用したチャットボットアナリティクスプラットフォームbotimize

 addlight journal 編集部

今回は、皆さんはが知らないうちに利用しているチャットボットをさらに進化させたいという野望を持ったスタートアップbotimizeをご紹介します。チャットは会話をするという意味で、ボットはロボットのボット。最近、主にLINEやFacebook Messengerといったメッセンジャーやチャットアプリ、ビジネスシーンではカスタマーサービスなどで活用されることが増えてきているため、ご存じの方も多いのではないのでしょうか。チャットボット自体は数十年前から世にあるものですが、当初は入力される文字列パターンに対してデータベースに用意された返答を出力して返すというもの。今でもこの方式のものが多いことは事実ではありますが、昨今は人工知能(AI)の発展に伴いAIベースであたかも人間と会話をしているかのような実装が現実的になってきています。

今回ははその人工知能を活用したチャットボットの分野でアナリティクスプラットフォームを考案し展開しているbotimize CEOのYuHsuan Chaoにお話をおうかがいました。

チャットボット業界のアーリーアダプター

YuHsuan氏は若くしてbotimizeを運営するBosion Inc.で3社目の起業となり元気いっぱいで知的なイメージが印象的な台湾出身の女性シリアルアントレプレナーです。台湾から香港に来たのは、こちらの記事でご紹介したZeroth.aiというAI特化型アクセラレータプログラムがきっかけです。Zeroth.aiを卒業した今はシンガポールに拠点を移して活躍されているのですがら凄いバイタリティーです。

botimizeを展開するYuHsuan Chao氏

歴史は古いものの人工知能の発展とともに今ブームになりつつあるチャットボット。この分野で、botimizeは早期からサービス開発を行う傍ら、台湾、シンガポール、インド・バンガロールといった場所でミートアップやイベントを精力的に開催していくなかで、コミュニティービルダー&オピニオンリーダーのような存在になっています。

そんなbotimizeが提供している、自然言語を解析するエンジンを搭載した独自のアナリティクスプラットフォームでは、ユーザーは大きく、 Webサービスを展開している企業とチャットボットを個人的に開発しているディベロッパー、の2つに分類することができます。

Webサービス提供企業においては、某大手電子機器メーカーをはじめとしたいくつかの企業では、パイロットプログラムを構築・導入した実践的な検証も行っているそうです。Conversational Analysis(会話の解析)に力を入れているbotimizeは、例えばその電子機器メーカーが蓄積してきたメッセージアーカイブやログの解析を行い、今まで塩漬けになっていたユーザーニーズや要望、課題発掘をサポートしたそうです。ECサイトの例では、チャットボットを開発する企業とタッグを組んでbotimizeのアナリティクスプラットフォームを仕掛け、ユーザープロフィール、ユーザー行動、カスタマーサポートでユーザーが発信している会話などから行動パターンを予測し、ECサイト上でよりより体験ができるように支援しています。

その他にも欧米圏からアジア圏への進出を検討している企業からの問い合わせも後を絶たないそうです。

アジアの力でグローバルに攻めていく

このようにチャットボットコミュニティーと共に伸びてきたbotimizeは更なる飛躍のためにZerothアクセラレータプログラムに参画。台湾では得ることが困難であったZerothの幅広い人的ネットワークや資金調達の機会、マシンラーニングに精通したメンターとの会話、人工知能の分野で切磋琢磨するスタートアップファウンダーとの週1ディナー等を通じて、ビジネスプランのブラッシュアップや今後の方向性が明確になったと語ったYuHsuan氏。今後は、アジアのパートナー企業との協業を主軸に、シンガポールに拠点を移しグローバルにサービスを展開していくと意欲をみせてくれました。

botimizeによって最適化されたチャットボットからのメッセージが皆さんのもとへ届く日も近いかもしれません。弊社では今後も海外スタートアップコミュニティと幅広く連携していきます。本記事、botimize社へのお問い合わせ依頼などございましたら、ぜひこちらからお気軽にご連絡ください!
Written by N.