【海外イベント視察】AI特化型アクセラレータ Zeroth.ai のDemo Dayに招待いただきました

 addlight journal 編集部

今回ご紹介するのは、世界最大規模のコーワキングネットワークを保持するWeWorkに入るAI特化型アクセラレータです。大型デパート、ショッピングセンター、ブランドショップ、各種レストランが立ち並ぶ銅鑼湾(コーズウェイベイ)エリアにそびえ立つTower 535。この高層ビル数フロアに拠点を持つのが、世界各国にコワーキングスペースを展開するWeWorkです。

Casuway Bayに位置するTower535

その中で活動しているのが、Tak Lo氏が率いるAI特化型アクセラレータのZeroth.ai。Tak氏は、世界的に有名なTechstarsというアクセラレータのロンドン拠点でディレクターを務め、スタートアップに対するメンタリングや投資を行ってこられて、その後、香港に拠点を移しZeroth.aiを立ち上げました。弊社代表木村とTak氏は、2016年の香港出張の際に本batchが始まる前の段階から情報交換を行っていたことから、今回のdemo dayにも招待頂きました。香港からの関係者のほか、韓国や台湾などからも投資家や関係者が駆けつけていたのが印象的です。

弊社代表木村(左)とZeroth.ai責任者のTak Lo氏(右)

多国籍なスタートアップ10社の想いが詰まったBATCH1のピッチコンテスト

WeWorkのフロアからは、香港島周辺に広がる海が見下ろせる開放的な空間。その中に150~200名ほどの投資家を含めたオーディエンスが集結し、会場は熱気にあふれていました。3か月のアクセラレータプログラムを終え、各社万全の準備をして臨んでいた様子でした(当たり前ですが)。アーリーステージのスタートアップにとって、投資家からの資金調達はライフラインといっても過言ではありません。我々も緊張しながら見守ります。

各社の英語でのピッチが行われている時には、随所で拍手喝采や指笛を鳴らすオーディエンスの姿は、日本ではなかなか見られない光景で盛り上がりを見せていました。

では、今回登場した10社を簡単にご紹介します。

aniWEAR : 独自のバイオセンサーデバイスと人工知能を活用しペットの行動や感情を学習することで、ペットとのコミュニケーションバリアーを解消するサービス

botimize : 人工知能を利用して開発者がチャットボットのトラッキング、テスト、最適化が行えるプラットフォーム

Clare.ai : 金融機関のカスタマーサービス向け人工知能型チャットボットプラットフォーム、チャットボットを利用して各種カスタマーサービスを自動化し効率化やコストカットを実現

Designjar : 人工知能を活用してグラフィックにこだわったオンライン広告の生成と運用の最適化を支援

DT42 : 軽量化されたディープラーニングモデルにより人間や物体の動きを認識し人々の行動を予期できるようにするもので、モバイル端末などへのインテグレーションが可能

Impress.ai : 企業が採用候補者との面接を人工知能型チャットボットを通じて行うことで業務の効率化を支援

Matelab : シンプルなユーザーインターフェースからアプリケーションで利用するマシンラーニングモデルを簡単なAPI実装で構築できるプラットフォーム

Object AI : 画像や映像から物体を人工知能で検知して画像や映像編集の自動化と効率化を実現するプラットフォーム

Rocco : SNSのポストやコンテンツの生成を人工知能を通じて行うことでソーシャルメディアマーケティングを最適化

Sero : お米の稲の発育状態を人工知能で解析することでお米の生産量を事前予測

AI(人工知能)やML(マシンラーニング)に特化したアクセラレータではありますが、10チームの領域も幅広く、AIがいろいろな分野で活用されていることがわかります。昨年の台湾のappworksのdemo dayでお会いしたチームにも再会することができました。botimizeのCEO YuHsuan Chao氏にお話を聞くと、Tak Lo氏との週次ミーティングに加えて毎週木曜日は、Founderが集ってディナーを共にしていたようで、AIという領域の中でお互いを刺激しあい高めあっていたようでした。日本でも数多くのAI系スタートアップが登場してきているものの、ZerothのようなAIスタートアップを支援する取り組みはまだ少ないのが現状ではないでしょうか。現地で感じた熱気と盛り上がりをみると、AI支援に特化した取り組みを日本で展開しても面白いかもしれません。なお、本demodayは日本でもライブで中継されるなど、日本からの注目も高まってきております。直近では、香港のスタートアップスタジオMind Fundと資本業務提携も行ったことから、AIの分野においてアジア・日本・アメリカの連携も加速していきそうです。

最後に

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した10社の内の数社は個別にお時間をいただき、インタビューさせていただきましたので別途記事を通じてご紹介したいと思います。その後、アフターパーティにも参加させていただきましたが、スタートアップの皆さんの盛り上がりを見ていると、3カ月高い緊張感の中相当なハードワークをしてきた苦労と、また苦労を共にした絆を感じ取ることができました。(我々は2次会のカラオケには参加自粛しましたが・・・。)

弊社ではアジアを中心とする海外スタートアップエコシステムとの連携を積極的に推進していきます。今後もこのようなイベントにご招待いただいた場合には、随時ご紹介していきたいと思いますので、お声がけくださいませ。本記事、その他お問い合わせがございましたら、ぜひこちらからお気軽にご連絡ください!

Written by N.