大手企業でのAI本格展開を阻む3つの壁

addlight journal 編集部  addlight journal 編集部

昨今、新規事業開発の現場で必ず出てくると言っても過言ではない、“AI”を新たに導入する際に気を付けるべきことを、オープンイノベーションの現場でAIプロジェクトに関わる視点から考察しました。

AIプロジェクトの実態

第三次AIブームと言われて久しい今日、日本の主要企業の半数以上がAIに関する取り組みを進めていると言われています。また、2018年中に取組を予定している大手企業は7割を超えると言われており、AIへの期待は日増しに高まっています。

一方で、AIは過度な期待のピークを迎えており、主流の定着まで5~10年程度係るとの予測も見られます。なぜ、これほど多くの企業が導入しながら、定着にこれだけ要すると言われているのでしょうか?

オープンイノベーションの現場で実際に起きているケースを踏まえると、大きな理由の一つにAIの導入にある程度予算を確保してPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施したものの、本格展開に踏み切れないというケースが多く発生しているためと考えられます。

AIの本格展開を妨げる3つの壁

なぜ、大手企業が多くのケースで本格展開に二の足を踏むのでしょうか?そこにはAI特有の3つの壁が存在していると考えています。

  1. 人材の壁:世界で80万人、日本で3万人のAI人材が不足していると言われる中、大手企業の業務や文化までも理解して質の高いサービスを提供できる人材は一握りです。適任者がいないもしくは適任者のリソースが十分に割けていないために求める結果が出ないケースが増えています。

  2. 社内説得の壁:AIのPoCを行った企業からは、「社内を(論理的に)説得できなかった」ために、本格導入に二の足を踏んでいるという声がしばしば聞かれます。AIの性質上、「なぜ、この精度が出たのか?」、「なぜ、数値が改善/悪化したのか?」といった質問に誰もが納得するように答えることが難しい場合がほとんどです。AIは関心度が高いために、上記のような質問が多方面から出て説明に時間を要する、というケースも少なくないようです。

  3. 目的の壁:本来、AIは“手段”ですが、時流に遅れないという“目的”を果たすために、とにかく使ってみるケースが多く存在しています。AIで何ができるかが正確にわらかないままPoCを始めたために本格展開まで進まないというケースも多いのが実状です。

AIプロジェクトスタート時に重要なこと

では、大手企業はどうすればAIによる成果をより確実に得ることができるのでしょうか?需要過多で人材が慢性的に不足しているAI領域のプロジェクトは、「試してみたいけれど受託してくれる外部パートナーがいない」といったことも起き得る状況です。

こうした状況を踏まえると、PoCプロジェクトスタート時には本格展開まで見据えて、短期・中長期の期待効果の高いテーマを選定しておくことが重要です。

また、PoCに向けて受託先の選定等を行う際にも、受託先候補に情報をしっかり提供し、定量・定性両面の現状を正しく伝えた上で意見をもらうことも先決。

こうした的確なテーマ設定と外部パートナーへの正しい情報提供で、PoC後先に進めない…というケースの多くは未然に防ぐことが可能です。

テーマ設定が8割

AIを活用してビジネス上の成果を得るには、初期のテーマ設定が8割と言っても過言ではありません。AIの特徴を踏まえ、社内の知見だけでは不十分と感じる場合には外部の視点も取り入れながらテーマ設定を行うことで、AI導入の成果は大きく変わってくるはずです。

弊社アドライトでは、オープンイノベーションでのAIプロジェクト実績も多数ございます。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。