【開催報告】「起業家とVCからみた韓国スタートアップのいま(Trend Note Camp #4)

 addlight journal 編集部

Trend Note Campとは

株式会社アドライトが主催するイベントシリーズ「Trend Note Camp」では、世界で活躍する起業家や投資家の方々に、アメリカやアジアの最先端ベンチャーのトレンド・ビジネスモデルなどをプレゼンテーションいただき、その後、参加者の皆さまを交えてパネルディスカッションを行っています。
第4回目の今回のテーマは、「起業家とVCからみた韓国スタートアップのいま」。隣国であり歴史的な話題も多い国ですが、韓国のスタートアップ事情をご存じない方も多いのではないでしょうか。今回のイベントでは、ロケットスタッフ株式会社高榮郁氏と株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ海老原秀幸氏をお招きし、現地事情を詳しくお話いただきました。

高氏が選ぶいま注目されているスタートアップ

まずは、高氏に、現在韓国で盛り上がりをみせているeコマース系とFinTech系のスタートアップを中心にお話いただきました。

化粧品eコマースのMEMEBOXはシリコンバレーの投資家から大型調達を実行し話題になったそうです。中古マーケットプレイスでカカオトークのカカオグループに買収されたSELLITは、メルカリに似ているが、SELLITの商品を配送するとSELLITが様々なオークションサイトに出品代行し一定期間売れなかったものはSELLITが買い取ることで、消費者にとって安心である点が特徴です。それ以外にも、ハンドメイド商品マーケットプレイスのidus(アイディアス)は、売上も伸びており、オフィスビルにハンドメイド製品のショップをオープンする予定。また、FinTech系では、ソーシャルレンディングで8%以上の利子が発生しないことが特徴の8PERCENTが普及しつつあるようです。

※高氏のブログはこちらから。

韓国の市場は投資家にとってブルーオーシャン

その後に、韓国で豊富な投資経験を持つ、海老原氏に投資家の視点から、韓国スタートアップ市場の状況、投資事例、代表的なベンチャーについてお話いただきました。

同社でも、韓国における投資では、上場会社への投資やM&A案件もいくつかあり、グループで最も調子が良い市場。

海老原氏は韓国スタートアップの日本との親和性の高さを強調しました。同社が投資を行っている企業も日系企業と合弁会社を作っていたり、また、日本で活躍しているIT企業でも、もともとは韓国で開発されていたり、日本の企業に買収されていたりする製品があるそうです。韓国の高品質な製品を日本で展開するモデルは今後も続きそうです。ネット環境に優れ、最新サービスの出現が早く、ゲームのアイテム課金もいち早く導入。また、PC・スマホ保有率も高く、優秀なエンジニアや多言語人材が多い韓国からは、今後も注目されるプロダクトやサービスが出てくるのではないでしょうか。このような点に加えて、文化も近いが注目度がまだ低い韓国は、投資家としてはブルオーシャンであると海老原氏はお話しました。

韓国スタートアップの可能性

その後、登壇者によるパネルディスカッションが行われました。

株式会社アドライト代表木村忠昭ファシリテーションのもと、まずは、木村からの質問タイム。高氏には、韓国政府が積極的にベンチャー支援をしている中、日本政府やると良い取り組みについてお伺いしました。また、海老原氏には、組織化されたエンジェル投資家ネットワークについての見解をお伺いしました。

韓国ベンチャー投資の規模や投資家の特徴、韓国ベンチャーが日本進出に失敗する代表的な理由、日本ベンチャー企業の韓国進出のポイント、韓国で流行っていて日本で流行っていないマーケット、韓国ベンチャーの日本側の受け入れ体制、韓国ベンチャー企業の東南アジア市場での可能性、など様々な質問が飛び交い活発な議論が繰り広げられました。

最後の懇親会でも皆さん積極的に名刺交換や情報交換する姿が目立ちました。

最後に

隣国でありながらまだあまり知られていない韓国スタートアップが実は数多くあり、市場としても楽しみな韓国。これからもグローバルに活躍していくスタートアップが数多く出てくるのではないでしょうか。Trend Note Campでは、今後も日本に届いていないホットなスタートアップ情報を様々なテーマのイベントを通じてお伝えしてまいります。本記事、その他お問い合わせがございましたら、ぜひこちらからお気軽にご連絡ください!