【開催報告】Mirai Salon #3 日本流オープンイノベーションによるCVCの未来

 addlight journal 編集部

株式会社アドライトが主催する大企業や官公庁の事業責任者を対象にオープンイノベーションをテーマに行っているイベントシリーズMirai Salonの第3回目「日本流オープンイノベーションとCVCの未来」を、2017年2月22日(水)に、三菱地所株式会社様に共催いただき、EGG JAPAN(東京・丸の内)にて開催いたしました。今回のテーマがオープンイノベーションとコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)という注目のテーマということもあり、早い段階で満席になり参加者の期待と注目度の高いイベントとなりました。

イベント当日は、まず三菱地所株式会社のご担当者より、東京・丸の内が魅力的なビジネスセンターであり続けるために行われている、日本の中小ベンチャー企業に対してのビジネス開発支援や誘致活動等についてご説明。オフィススペースの運営や、会員組織「東京21cクラブ」のネットワーキングについてもご紹介頂きました。

次に、弊社代表の木村より、ご挨拶と株式会社アドライトの紹介およびMirai Salonの概要案内と、オープンイノベーションの必要性とコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の説明と論点紹介。コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)における、CVCストラクチャ設計/投資領域・投資戦略/ディールソース確保/事業連携/投資先バリューアップ/EXIT戦略などの論点について、弊社のCVC支援事例をもとに紹介しました。

ベンチャー企業2社と大手企業2社の登壇者より、各社のオープンイノベーションに対する取り組みをご紹介いただきました。

IoTと3Dプリントによるデジタルものづくり革命

ベンチャー企業1社目は、IoTと3Dプリントによるデジタルものづくり革命を起こす株式会社カブク稲田雅彦社長にお話いただきました。

「ものづくりの民主化へ」をスローガンに、IoT、3Dプリントを主軸にした試作・特注品オンデマンド製造サービスMMS Connectを展開する同社。
製造最適化エンジンと専門アドバイザーにより、最適な製造方法を迅速に見積・提案を行ったり、QCD管理までワンストップでサポートを行っています。また、さらに人工知能を適用することで、製造業務における効率最大化と収益最大化が可能になるそうです。
特に、大企業との連携事例として、例えば自動車業界では、トヨタと共同で小型自動車i-ROADのマス・カスタマーゼーションを提供したり、ホンダと共同で超小型モビリティMCを3Dプリンティングを用いてマスカスタマイゼーションプラットフォーム化を実現。
他の業界としては、スクエア・エニックスと協業でカスタマイズしたゲーム内のアバターを3Dプリンターで製造しフィギュアとして販売したりなど、これからのものづくりの未来像を具体的事例をもとに紹介頂きました。

パーソナル人工知能のオープンイノベーション

ベンチャー企業2社目では、人工知能アプリSENSYを展開するカラフル・ボード株式会社渡辺祐樹社長に、SENSYとオープンイノベーション事例についてお話いただきました。

複数の主要メディアにも注目サービスとして掲載されてきた同サービスは、多種多様なAIの中で、ひとり1台のAIを持とうという発想であるパーソナルAIという立ち位置です。「どういうことかを一言で言うとドラえもんなんです」と渡辺氏は語りました。パーソナルAIにユーザーの感性を覚えさせ生活データを蓄積。そのデータをもとに、AIがユーザーへ最適なコンテンツを届けることが可能になったそうです。また、同社はこの仕組みをクラウド上で稼働しデータを蓄積してプラットフォーム化を行うことで、あらゆるデバイスを通じてコンテンツをユーザーに届けたり、企業がお客様の感性のロジックにアクセスできるようになる等のメリットが生み出しています。
大企業の連携事例としては、AIの活用方法、事業化実現性の検討など企画フェーズから支援を行っており、三越伊勢丹ホールディングスとの協業で、伊勢丹新宿本店にて実際の接客(アイテム提案)を支援する取り組みを行っているとのこと。バリューチェーンと業界で細分化した各バーティカル領域で人工知能を応用したサービス展開を進める事業展開方針が印象的でした。

続いて、大企業2社による、オープンイノベーションとベンチャー支援事例をプレゼンテーションして頂きました。

国内屈指の大手電気機器メーカーが仕掛けるオープンイノベーション

大企業1社目は、オムロンベンチャーズの今西充氏に、同社のオープンイノベーションへの取り組みについてお話いただきました。

「社会的な課題を解決する新たな価値を創造することがオムロンのコアな考え方であり、より良い社会の実現のために社会的課題の解決する仕組みづくりに取り組むことが我々の目指す姿です」とお話した今西氏。ただ、110を超える国と地域で様々な領域で事業を展開してきたオムロン社でも、ニーズの多様化、変化スピードの高まりに対し対応していくために、同社が今まで蓄積してきた技術力やノウハウに依存するだけでなく外部のリソースを活用してより良いソリューションを生み出していくことが必要であると考えられているようです。
特にベンチャー企業との取り組みとしては、ベンチャーのもつスピード・技術力・創造性との掛け合わせによる新産業創造を期待しているとのことで、アーリーステージからミドルステージのベンチャー企業に対して、協業を前提にしたマイノリティ投資を行っています。
最近では、もう少し早いステージのベンチャー企業の発掘、支援にも取り組んでおり、Mirai Salon第2回目に登壇頂いたリコー社と連携してベンチャーファンド(テックアクセルファンド)を運営したり、コトチャレンジというアクセラレータプログラムを展開したりと、積極的なベンチャー連携を進めています。

オープンイノベーションにおける官民連携による事業創出

大企業2社目は、株式会社ニコン坪井聡一郎氏に、事業開発の責任者としてゼロから立ち上げを行った経験談を披露いただきました。

お金も人もいない状況から、農業という領域に目を付け、官民を巻き込んで事業を立ち上げていった実体験と当時のチャレンジやターニングポイントも合わせてご紹介頂きました。ベンチャー企業向けのアクセレレータプログラムは多くあるが、大手企業の支援する仕組みはまだ少ない現状の中、坪井氏が活用した打開策は省庁主導のイノベーター育成プログラム。そこで審査を通過するとシリコンバレーでメンタリングを受け、事業立ち上げに必要なビジネスモデルやリソースを手に入れることができたそうです。
イベントの参加者には事業開発の責任者も多く参加しており、参加者からの興味を引き付ける具体的かつ実践的な発表内容でした。

ベンチャー企業とCVCによるオープンイノベーションの未来

休憩をはさんでから、弊社木村ファシリテーションのもと、登壇者によるパネルディスカッションを実施。

まずは木村から、ベンチャー経営者の2名へ、オープンイノベーションにおいて連携する大企業に求めること、昨今増えてきたCVCに対する印象などについて質問。大企業の2名へは、大企業の事業部とベンチャーを連携する際に気を付けていること、インタープレナー(社内起業家)を育成する方法、事業シナジーの見出し方などに対する見解をお伺いしました。
ご参加いただいた皆さまからも、魅力的で実践的なアクセレレータプログラムとはどういった内容のものか、CVCの投資判断軸や意思決定方法、CVCが追っているKPI、大手企業の新規事業立ち上げにおける仲間集めの方法、事業部へベンチャー企業を紹介/提案時のポイント、などに加えて、ベンチャー企業が行う採用プロセスで気をつけていることなどの質問が飛び交い、各登壇者の実体験や弊社の支援事例などをふまえての活発な議論が繰り広げられました。
その後の懇親会でも、登壇者と参加者を交えて、名刺交換や情報交換を行う姿が印象的でした。

最後に

ベンチャー2社と大企業2社で最前線で活躍されている皆さまをお招きして行われた今回のMirai Salon第3回は、前回に引き続き熱気に包まれ、活発な議論が行われた会となりました。今後もMirai Salonでは、オープンイノベーションに関する様々なテーマでイベント開催を予定しています。関連トピックに関するイベント登壇やお問い合わせに関しては、こちらからお気軽にお声がけくださいませ。