【開催報告】Mirai Salon #2 日本流オープンイノベーションによるIoTの未来

 addlight journal 編集部

【開催報告】Mirai Salon#2 日本流オープンイノベーションとIoTの未来

株式会社アドライトが主催する大企業や官公庁の事業責任者を対象にオープンイノベーションをテーマにしたイベントシリーズMirai Salonの第二回目「日本流オープンイノベーションとIoTの未来」を、2016年12月7日(水)に、三菱地所株式会社様に共催いただき、東京・丸の内にあるEGG JAPANにて開催いたしました。


まずは、三菱地所株式会社のご担当者より、東京・丸の内が魅力的なビジネスセンターであり続けるために行われている、日本の中小ベンチャー企業に対してのビジネス開発支援や誘致活動等についてお話頂きました。オフィススペースの運営や、会員組織「東京21cクラブ」のネットワーキングについてもご紹介頂きました。

次に、早稲田大学大学院経営管理研究科 准教授の樋原先生より、主にオープンイノベーションの必要性や課題について、ご講演頂きました。オープンイノベーションの一つの大きな課題として、「企業の外のどこと連携するのが良いのか」という経営判断があり、シナジーが期待できる事業領域としては、既存事業からの距離が近く、補完的である領域が好ましいとのことでした。その他、オープンイノベーションへの障害についても、具体例を交えてお話頂きました。

続いて、ベンチャー企業による大企業支援事例を、今注目のベンチャー企業3社の経営者の方々から、プレゼンテーションして頂きました。

1社目は、GROUND株式会社の宮田社長より、自動搬送ロボットによる物流革命についてお話頂きました。物流現場における、入荷から出荷に至るオペレーションの生産性向上を図るソリューションとして、同社が提供しているサービスが、現場において実際に活用されている仕組みを詳しく解説頂きました。
同社のDigital Inbound Square(クラウド型入荷管理ソフトウェア・コラボレーションウェア)や Butler(自動搬送ロボットシステム)が、物流の現場に新しいイノベーションを起こしています。

2社目は、株式会社スカイディスクの橋本社長より、AIを活用したIoTサービスの未来についてお話頂きました。「IoTが生まれやすい環境を作り生活を豊かにする」ことをミッションに、IoTプラットフォーム事業を展開している同社の様々なサービスやオープンイノベーション事例について、詳しくお話頂きました。センサデバイスや通信モジュールの開発、AIクラウド構築まで、IoTに必要な要素をワンストップで提供できる同社のサービスは、農業や設備保全、物流など、幅広い分野で、我々の生活を新しく豊かにしてくれています。

3社目は、セーフィー株式会社の佐渡島社長より、Safieが切り開くIoT映像活用の未来についてお話頂きました。同社の『Safie』は、スマートフォンとカメラで、手軽に自宅や店舗などをライブ映像や録画よって確認することができるクラウド型のビデオプラットフォーム。佐渡島社長ご本人の、「こんなサービスがあったらいいのに」という想いと、周りにそのサービスを構築できる仲間がいたことが開発のきっかけだったとのこと。現在は、『Safie』の運営と合わせて、ハードウェアメーカーへのソリューション提供も積極的に行っており、オープンイノベーションにも前向きに取り組んでいます。

続いて、株式会社リコーの新規事業開発本部の澤田氏より、リコー社のオープンイノベーションの事例紹介。元気のよい挨拶の後は、リコー社における社歴の紹介から、同社のコーポーレートVCであるテックアクセルファンドの取り組み紹介まで、テンポよくご紹介頂きました。

最後に、弊社代表木村より、オープンイノベーションのコンサルティング事例についてお話させて頂きました。産学連携やIoT関連のオープンイノベーションの支援事例紹介とともに、同社サービスの特徴である外部ハブ機能として事業開発に必要な機能補完(マーケティング、法務、総務、経営管理、人的リソースなど)についてのハンズオン手法の紹介や、オープンイノベーションの戦術選択と比較について紹介しました。


その後休憩をはさみ、登壇者によるパネルディスカッションが行われました。
早稲田大学准教授樋原教授のファシリテーションのもと、最初は登壇者への個別の質問タイム。まずはsafie株式会社の佐渡島社長について、前職の大企業での事業ではなくベンチャー企業として事業を創造された理由について。オープンイノベーションとクローズドイノベーションの違いや、ベンチャー企業として起業されたいきさつや想いをお伺いしました。

また、株式会社スカイディスクの橋本社長に対して、ベンチャー企業と大企業でのリソースや時間に関する考え方の違いや、そこでの案件の進め方などの体験談をお伺いしました。

リコー株式会社の澤田氏に対しては、実際の大企業側のオープンイノベーションでの苦労話。大企業の担当者の心意気や進め方で結果も変わるというケースを、具体的な例も交えてお話頂きました。

弊社代表の木村に対しては、具体的にどのようにオープンイノベーションの支援をしているかとの話に対し、ハンズオンでプロジェクトメンバーの一員としての支援例などが紹介されました。

続いて、大企業とベンチャー企業とのオープンイノベーションの実施にあたっての様々なテーマに関しての参加者からの質問タイム。カニバリゼーションへの対処方法、CVC(コーポレートVC)からの出資にあたってベンチャー企業が期待すること、特定企業の色を出さずにベンチャー企業が成長してゆくための秘訣、ベンチャー企業がオープンイノベーションを軸に成長していくための事例紹介、資本市場から見たエクイティストーリーにおけるオープンイノベーションの見せ方と伝え方、本業の延長線上にない事業への取り組みステップ、ベンチャー企業による大企業向けカスタマイズのあり方など、話題は多岐にわたり、当初の予定時間をオーバーして盛況に終了。その後の懇親会でも、参加者を交えて積極的に名刺交換や情報交換する姿が目立ちました。


株式会社アドライトが主催するMirai Salonでは、今後もオープンイノベーションに関する様々なテーマでのイベント開催を行っていきます。個社向けのイベント企画なども受けた回っておりますので、お気軽にお声がけくださいませ。

今後のイベントが決まり次第、こちらのウェブサイトでもお知らせさせて頂きます。
本記事、その他お問い合わせがございましたら、ぜひこちらからお気軽にご連絡ください!