台湾のスタートアップ事情をお届けしていくシリーズ。今回は台北に拠点を構えるオリジナル衣料メーカーFandoraを紹介していきます。FandoraはAppWorksのプログラムにも参加していました。
Fandora創業までの苦難
学生時代、自身の専攻でもあるビッグデータに関するソリューションを提供するBtoBのビジネスを模索したものの、学生であるということから難航したという創業者のSteven氏。1年間地道に営業したものの成果はそれほど得られずそのビジネスは諦めたと言います。Fandoraの創業までに2度のソフトウェアプロダクトを売り出しますが、いずれも難しかったとのことでSNSに目を向けます。そこで経験を積むため台湾のインキュベーター・AppWorksのプログラムに参加しました。そこでFab.com(アメリカ発のデザイン性の高い製品を集めたEコマースサイト)の台湾版を作ろうとしたことをきっかけにE-コマース分野への参入を決めたということです。
軸となる2つのサービス
Fandoraを運営する映雲科技株式会社(中国語表記:映雲科技股份公司)が提供しているサービスにはFandora以外にもう一つ毛孩市集というサービスがあります。毛孩市集というサービスで、Fandora同様E-コマースサイトとなっており、主にペット用品を扱っています。
・Fandora
FandoraはオリジナルのTシャツやトートバッグ、さらにはスマホケースまで扱っているE-コマースサイトです。なんといってもその特徴はデザイナーの多さにあります。Fandoraでは2,000以上ものクリエイターを抱えているのですが、その秘密はオンライン登録にあります。Fandoraのクリエイターになるには国籍年齢を問わず誰もがオンライン上でクリエイター登録の申請を出すことができるようになっています。この手軽さがクリエイターの多さに繋がっているのかもしれません。(現在は中国語のみの対応なので筆者には登録は少々難しいです・・・)
このFandoraの工場は台北にあるとのことです。オリジナルにもかかわらず、生産から輸送までをおよそ10日で行うというので驚きですね。ちなみにこのFandoraを使ったお客さんのうち90%は再びFandoraを利用していると言います。たしかに個性的で魅力的な商品が多いのでリピート率の高さにも納得です。
・毛孩市集
毛孩市集は犬・猫のペット用品を扱うE-コマースサイトです。こちらは台湾国内のみならず、海外からも幅広いペット用品を揃えています。特徴としてはリアルタイムのコンサルティングサービスがあるとのことで、実店舗に行かずともアドバイスを受けることができるということです。(こちらも中国語対応のみとなっています・・・)
いずれも中国語と中国語が読めないと少々使うのは大変そうですが、Fandoraでクリエイター登録をしてオリジナルのブランドを立ち上げてみてはいかがでしょうか!
今後のFandoraの進化
Daniel氏は今後のFandoraの展望を次のように考えています。
イラストレーターの描いたものをキャラクターに、そしてそれを子供が作るように。製品はシャツのような衣類からおもちゃへ、そしてオフィス家具のようなものまでカバーしていきたいとのことです。この幅広い分野への進出は、既にTシャツだけでなくバッグやスマホカバーを売り出しているということからも伺えます。
Tシャツ製作プラットフォームからの脱却、これこそがFandoraの狙う次のステージとなっているのでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
Steven氏は最後に日本の皆さんに向けて、「誰でも参加してほしい!」と言葉を残してくれました。
様々な苦難の末たどり着いたFandora。今後どのように進化していくのかが楽しみですね。ちなみに日本からでも注文できるので、気になる商品があったらぜひ買ってみてください。
弊社では今後も海外のスタートアップコミュニティーに関するトレンドや情報をお届けして参ります。本記事、またその他お問い合わせがございましたら、ぜひこちらからお気軽にご連絡ください!