ニッチを狙うスタートアップ~YC S17参加チームとそのトレンド~

 addlight journal 編集部

こんにちは。本日8月21日から3日間、マウンテンビューのComputer History MuseumにてYC S17のDemo dayが開催されます。本記事ではそのYC S17の参加チームを紹介をしていきたいと思います。

WittyThumbs(YC S17)

オンラインによる恋愛アドバイスサービス

ファウンダー達の10年以上にわたる恋愛の苦労や努力や、200万円以上かけてデートの達人のセミナーに通いつめマニュアルを読み込んだ経験をもとにして、恋愛に悩めるユーザーを救うことができると考えたそうです。

世界中に15人の恋愛エキスパートを抱え、30分30USドルからアドバイスを受けられ、実際のメッセージのやりとりが匿名にて添削なども行ってくれるサービス。

どこまでワークするかは不明ですがユニークなサービスです。

https://techcrunch.com/2017/06/05/wittythumbs-will-help-you-decipher-what-your-dates-messages-really-mean/

 

Py(YC S17)

プログラミング教育app

プログラミング教育を身近にするEdTech領域のスタートアップ。

ゲーミフィケーションされたアプリを提供しており、Pythonなどの10言語が学習でき、UIのチュートリアルも直感的です。

日本からでもダウンロードできたので触ってみましたが、プログラミング知識がなくても使いやすいです。専門家とのチャット機能も実装されており、1カ月10ドルとのこと。既に学生のための学生によるVCファンドであるDorm Room Fundが出資しているようです。言語依存が比較的少ないUIなので、他国含め今後の展開が楽しみです。

https://techcrunch.com/2017/06/14/yc-backed-py-is-a-duolingo-style-learn-to-code-app/

 

Feather(YC S17)

高級家具レンタルサービス

ニューヨーク出身のスタートアップ。大学を卒業してから家を買うまでの年齢層をターゲットにしており、ライフスタイルに合わせて家具をセットでレンタルすることができます。平均して6か月で損益分岐に達するとのことで、現在はニューヨークとサンフランシスコで300の家具をレンタル中とのこと。

https://techcrunch.com/2017/06/27/feather-launches-a-high-end-furniture-rental-service-for-liminal-living/

 

Slik(YC S17)

リード顧客発掘支援ツール

役職や会社規模などによって、7000万人のデータベースから適切な営業見込み顧客を絞り込みアクセスできるサービス。当初はchromeのエクステンションをリリースしていたが、その後今のウェブサービスに変更したとのこと。

https://www.producthunt.com/posts/slik-2

 

Sixty(YC S17)

SaaS会社向けのクラウドソーシングマーケットプレイス

ウェブ上で課題やテーマごとにクラウドワーカーを探すことができる。例えば、SaaS会社の課題であるGoogle AdwardsやGoogle Analyticsなどの特定のソリューションの課題や活用について、その道のエキスパートをレベルなど絞り込まれた形で探すことができ、そのエキスパートがいついくらで稼働可能かも教えてくれる。クラウドワーカーの活用は、適切な方を探す工程が大変なことも多いですが、そのあたりのUXが大幅に改善されている印象を受けました。

https://www.usesixty.com/

 

Templarbit(YC S17)

ウェブセキュリティサービス

クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃の対策ができるサービス。ikipediaによるとXSS攻撃とは「攻撃者の作成したスクリプトを脆弱性のある標的サイトのドメインの権限において閲覧者のブラウザで実行させる攻撃」と定義されています。料金は個別見積もりとのことです。

https://www.templarbit.com/

 

Net30(YC S17)

建設業界向けオンライン請求サービス

建設業界は工事業者への平均の支払いサイトが70日と非常に長い業界とのことであり、また請求も紙で行われることが多く、何かエラーがあると支払いがさらに遅れてしまうという問題を解決するサービス。

競合に1年前にOracleに買収されたTexturaというサービスもありますが、それよりも小さなSME向けサービスとのこと。

https://techcrunch.com/2017/07/27/net30/

 

Guggy(YC S17)

PtoPメッセージサービス

自然言語解析を利用し、ユーザーのメッセージに最適なGIFを添えて送信するサービス。画像ファイルの圧縮形式として非常に優れているGIFですが、GuggyはそんなGIFを利用して仲間内で個性的なメッセージを送り合うことができるサービスを提供しています。内容としても、検索ボックスにメッセージを入力するだけという、非常にシンプルで使いやすいUIになっています。また、iPhone向けのAppも作られていて、FacebookメッセンジャーにGuggyがデザインしたGIF自動作成機能付きのキーボードを実装することも可能になっています。

https://www.producthunt.com/posts/guggy-4

 

Piggy(YC S17)

インド在住者向けの投資アプリ

伝統的に公務員が多かったインドにおいて、近年増えつつあるプライベート・セクターでの労働者向けに、老後の蓄えをサポートすべく開始されたサービス。とりわけ近年の中間層の成長を背景に伸びている投資信託市場に目をつけ、彼らの投資をアプリによって迅速にサポートできるような仕組みを整えたといいます。なお、サービス側は一律の取引手数料を得るようです。

https://www.producthunt.com/posts/piggy-2

 

Meetingbird(YC S17)

ミーティングのためのスケジュール調整アプリ

Google Chrome上の拡張機能として開発された同サービスは、煩わしいやり取りを抜きにミーティングのためのメンバー間のスケジュール調整が可能になるようにデザインされています。具体的には、GmailとGoogleのカレンダー機能を連携させる仕組みになっているようで、

ユーザー自らスケジュール確認をしなくても、自動的にカレンダー上の空き時間を参照でき、メール本文から議題や参加者といった情報もコピーして、スケジュール上に自動生成してくれるようです。

https://www.producthunt.com/posts/meetingbird-for-gmail

 

Upcodes(YC S17)

建設業向けのキュレーションサービス

建設業に関する法規は非常に多く、そのため1つのプロジェクトが進行する上で多くのコストがかかるという問題点がありました。そこで、Upcodesはそういった法規をサービス上にまとめ、自動更新し、ユーザーが分かりやすいようにその関連性等も明らかにしてくれる他、関連法規の見落とし防止にも役立つそうです。

https://up.codes/

 

70MillionJobs(YC S17)

米国在住の犯罪歴を持つ人向けの求職掲示板

アメリカに約7,000万人いると言われる犯罪歴の保持者のための就職支援サービス。彼らの中にはしっかりとした職歴や学歴を持っている人は少なく、そのために再就職が困難であるという現状があります。サービスとしては、求職者が登録し、企業側が検索する、あるいは仕事内容を投稿するという非常にシンプルな掲示板の形態。スターバックスといった雇用機会の均等に取り組む有名企業の協賛も得ているようです。

https://www.producthunt.com/posts/70millionjobs-com

 

dropleaf(YC S17)

コンピュータゲームソフトのキュレーションサービス

購読制のキュレーションサイトであり、毎月新作のゲームタイトルが追加され、ユーザーの好みのゲームを探し出してくれるサービスです。サービス開始時は41タイトルのダウンロードが可能でしたが、月間10-20タイトルが追加されていくとそうです。利用料は月5ドル程ですから、好みのゲームが見つかりやすいという利点はかなり大きいかもしれませんね。

https://dropleaf.io/?ref=producthunt

 

Muzmatch(YC S17)

イスラム教徒向けのマッチングサイト

戒律という難しい問題を解決しつつ、イスラム教徒の独身者のオンラインデーティングを可能にするためのアプリを提供しています。また、イスラム教の伝統に則り、女性側の保証人である’Wali’を介在させることができるようになっているのが特徴です。現在世界164か国で、約20万人のユーザーがいるようです。

https://muzmatch.com/ph?ref=producthunt

 

PAYFAZZ(YC S17)

インドネシアでのモバイル・バンキングサービス

スマートフォンの普及率は高いものの、銀行口座の所持率が40%に満たないインドネシアにおいて、モバイル・バンキングサービスを提供しています。基本的には支払いやPtoP送金がメインになっているようです。現在1ヶ月で1M USDのトランザクションを記録していて、インドネシア最大の銀行であるBank Rakyat Indonesiaとも提携しています。

https://www.payfazz.com/

 

HealthWiz(YC S17)

ヘルスケアに関するキュレーションサービス

最適な医療サービスの選択はコストがかかり、頭を悩ませる問題です。

HealthWizの2人のファウンダーはHBSの出身で、そんなヘルスケアの問題を解決するサービスを立ち上げたようです。患者はまずサービス上での症状の確認を行い、それから医師の紹介を受けて、オンラインでの診断か、実際に診察に向かうかを選択できるといった内容になっています。実際に使用してみたところ、診断の過程は問診形式で非常に分かりやすく、UXは洗練されているように感じます。現在ではネット上で症状を調べたり、医師の評判を調べたりすることは確かにできますが、

情報の重要さの割に、信頼のおける情報が確保しづらいという問題があります。その点、HealthWizが提供するサービスは行政の承認も得て、専門家の知識を集めた信頼のおけるものになっています。最終的な医療サービスの選択はユーザーの選択に任されている点も良いですね。

http://www.myhealthwiz.com/

 

Audm(YC S17)

オーディオブック形式のジャーナルサイト

あらゆるメディア記事をオーディオブック形式で提供しているサービスです。

多くのファイルが30分近い文量のあるものになっていて、The AtlanticやBuzzFeedNews、London Review of Booksといったメディアの記事を扱っています。読み上げも世界的に著名なナレータによるもので、自身でプレイリストを作成することもできるようです。

https://www.audm.com/?ref=producthunt

 

CocuSocial(YC S17)

料理教室のプラットフォーム

料理教室を開催するレストランやホテルと、個人ユーザーをマッチングさせるサービス。サイト上では、料理教室の開催情報の他にも過去に参加したユーザーのレビューを参照することもでき、時期によっては参加料を割り引いたセールも行われているようです。さらには、プライベートで料理教室を開催したいユーザー向けに講師の派遣サービスも行っています。

https://cocusocial.com/?ref=producthunt#!/

いかがでしたでしょうか?個人的には、今回のYC S17ではターゲットをニッチに絞り込んだチームが増えたように感じます。

キュレーション・サービスの増加も特徴の1つと言えるでしょうか。また、犯罪歴を持つ市民の更生支援や、宗教を考慮したマッチングサービス、信頼性の高いオンライン・ヘルスケアサービスなどは、社会的課題の解決に取り組むYCの最近のトレンドにも適合しているように思います。実際に触れることのできたサービスの中には、PyやGuggy、Meetingbird、HealthwizなどUIが非常に洗練されているものも多くありました。

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