事業変革のための戦略策定と社員育成による中期計画の立案実行をサポートー 株式会社イースト

 addlight journal 編集部

商業施設へのクラウドサービスの開発とシステム導入支援および各種オペレーション業務のアウトソーシングサービスなど様々な事業を展開する株式会社イースト(以下、イースト社)。

イースト社は、中期計画の策定にあたり、さらなる成長を目指しこれまでの事業に加え、全社戦略を一新し、環境変化をふまえた事業変革のためのリノベーション計画を目指していました。

弊社は経営企画の役割を補完し、全社最適下での各部門の戦略策定を支援。同プロジェクトに並行して、選抜された社員への事業開発ワークショップや事業戦略立案の育成プログラムも実施。

今回は中期経営計画のサポートと社内人材育成プログラムの実施をご依頼いただいたイースト社の長島社長に、話を伺いました。

会社紹介:株式会社イースト

1997年創業。商業施設へのシステム開発や施設の運営オペレーション業務のアウトソーシングなど様々な事業を展開。家賃計算や売上管理、決済情報の管理など、商業施設が行う会計処理をサポートするクラウドサービスの「MallPro(モールプロ)」を提供。さらに全国の約300ほどの商業施設の経理や事務作業の請負、WEBサイトの制作サポートやデジタルサイネージの導入支援など、ITを活用した販促サポートなどのデジタルソリューションの3つを事業の柱としている。

社内浸透した考えを刷新し、既存事業を超える新たな事業の”柱”を

➖➖商業施設の運営サポートのパイオニアとして全国で幅広くご活躍されていらっしゃいますが、中期計画の策定にあたり、どのような課題をお持ちでしたか?

長島社長:弊社の事業はストック型のビジネスで、年10%から15%ほど売上が積み上がっていくモデルでした。システム導入後の解約が少なく、ある程度長く利用いただけることが多いです。商業ビルが増えるごとに依頼が増えて、お客様の事業展開に比例して、売上も増えていくビジネスモデルで成り立っていました。

とはいえ、今後も永続的な成長戦略を作ろうと考えたときに既存事業に加えて、今伸びてる市場に対してアプローチをして、新たな事業の柱を作る必要がありました。例えば、既存事業をブラッシュアップしてクロスセルやアップセルで受注を増やすことや、サービスの付加価値向上による営業利益向上を目指すなど、既存事業の成長曲線を変えるような事業計画を作り込めていませんでした。

そこで今回は長期的な経営計画を作り、会社として一段ステップアップしたい想いから新規事業の計画を始めようと考えていました。しかし、業務の進め方や事業部ごとの考え方が、すでに浸透してしまっていたため、戦略の一新や革新的なアイデア創出が難しいという課題がありました。

そこで社員の新しい志向をもった人材の育成を含めて、アドライトにリノベーション計画のサポートの依頼を決めました。

➖➖他にも様々な新規事業に関するコンサルティングファームがありますが、その中でアドライトを選んでいただいた理由を教えてください。

長島社長:課題を解決していくにあたって重視していた要件は、従業員の育成プログラムと新規事業に特化したコンサルティング。その両方に定評があるのがアドライトでした。新規事業を創出するためのワークショップを数多く実施されていると伺っていたので、信頼できました。また、海外のベンチャー企業を含め様々な企業研究をされているため、机上の経営計画策定の支援だけでなく、各事業案の目利きを期待していましたね。

また、木村さんが執筆されたビジネストランスフォーメーション(BX)に関する記事も社内で展開し参考にさせてもらいました。https://forbesjapan.com/articles/detail/35430

育成プログラムでは、中堅社員のアントレープレナーシップ育成をサポート

➖➖今回、中期計画の支援の前にアドライトの育成プログラムを活用いただきましたが、育成プログラム利用にいたったきっかけは何ですか?

長島社長:3本の事業の柱は、ほぼ私が創業期に作ったビジネスモデルでした。私含め、当時のメンバーは創業期の新規ビジネスの立ち上げを経験していて、日々お客様と対峙していく中で、試行錯誤を繰り返して現在のビジネスモデルができあがるプロセスを体現していました。

今は従業員も1,000名規模になり、皆がこのビジネスモデルに沿って、お客様から信頼を得られる人材に育っていると思います。ただ一方で、創業期のようにサービスを作るという新規事業開発に必要なプロセスを教えられる機会が持てていないと思ったことが育成プログラムの利用を決心したきっかけです。

そこでメンバーを選抜して、「新しく事業を作るには、どういう思考回路が必要なのか」という事業開発のマインドやスキルを学ぶ場を設けたい想いでプログラムの利用をはじめました。

➖➖社員の育成プログラム導入は初めてだと思います。参加メンバーはどのような基準で集められましたか。

長島社長:今回は立候補ではなく、事業部ごとに推薦をもらう形式で参加メンバーを集めました。また、勤務年数が長い方よりは入社して2~5年ほどの、新いことをやって欲しい方に取り組んでもらいました。勤務年数が長いと、どうしても会社の文化に影響を受ける面があるため、まずは中堅社員の方々にプログラムを経験してもらい、感触を確かめようと考えていました。

➖➖実際に育成プログラムをやってみていかがでしたでしょうか?

長島社長:プログラムを受けた社員はみんな「やってよかった」と話していて、会社としてポジティブな経験ができたと思っています。

一方でプログラムの最後の発表を聞いて、要点をまとめることが苦手な社員が多いとも感じました。今回発見できたネガティブな部分は会社の反省点として、これからの人材育成に活かしていきたいと思ってます。

弊社は結構社員の数も多いので、今後プログラム2期生、3期生と続けてやってきたいですね。

アドライトによる中期計画の策定の支援では、課題特定〜解決への具体施策の整理を実現

➖➖続いて、中期計画のコンサルティングについてお伺いします。アドライトがサポートに入り、第一フェーズを終えられている現状ですが、結果や感触はいかがでしたでしょうか?

長島社長:今回の第一フェーズの中期計画の策定では、「弊社には、どんな課題があって、課題解決にはどういった組織体制が必要で、何を取り組むべきか」を整理いただけたので、いい感触を持っています。事業部ごとの経営状況を客観的に分析してもらい、紙ベースで可視化してもらえたことで、「どうしてこんなにも利益率のばらつきがあるのか」とか、頭でぼんやりと考えていた事業のボトルネックが明確になり、社員同士で共有しやすくなったと感じています。

➖➖今回、中期計画の作成にあたって各事業部のリーダーの方々とも何度もやりとりもさせていただきましたが、事業部ごとでの反応はいかがでしたか。

長島社長:これまでは事業部ごとに異なるサービスだったため、仕事の進め方や考え方にばらつきがあり、他の部署のことを気にかけることが少なかったと思います。

今回、アドライトに事業計画の策定で支援いただいたことで事業部を超えて新しいサービスを作ろうとか、部署横断的な思想を持ってくれるようになったので、良い傾向だと感じていますね。

数字ベースで思考し、解像度高く仕事に向き合えるメンバーを増やしていきたい。

➖➖第一フェーズで策定してきた計画の落とし込みの部分に移る第二フェーズでは、どういったことを期待していますか。

長島社長:第二フェーズの落とし込みでは数字のマネジメントを浸透させて、社員が様々なことに対して数字を元に仕事ができるようになることを期待しています。

「売上目標はこれです」よりは、「売上利益を達成するには、どのように施策を打つことで、いかに数値を変化させていけるか」という数字を用いて、より具体的に行動していって欲しいですね。

あとは売上だけでなく、離職率だとか、今は働き方改革も進んでいるのでテレワークの割合に対して、売上や原価はどのように変化するかといった他の判断基準も作っていけたらと考えています。

弊社は事業別組織のため、事業部ごとにマネジャーやSV・リーダーなどが多くいるのですが、数字のマネジメントを今までほとんど下のレイヤーにはさせてきませんでした。今後は事業部長レイヤーのみならず、その下のレイヤーに落とし込んでいくために、社内浸透面でもサポートしてもらいたいです。

アドライト株式会社