弊社アドライトも主催するTokyo Startup Dating 8th Editionのピッチ報告です。
最終回となる今回は、オーディエンス投票で1位と2位を獲得した2社をご紹介いたします。
・Cinnamon(投票第1位)
・セツロテック(投票第2位)
プロダクトだけでなくAI技術者育成にも力を入れる―Cinnamon
今回のピッチコンテストで見事に優勝に輝いたCinnamonはシンガポールを拠点とし、AI技術を用いた様々なサービスを提供しています。
ピッチの中でCEO平野氏が紹介した製品はFlax Scannerと呼ばれる自動ドキュメント入力システムです。手書きテキスト情報問わず、構造化されていないドキュメント類の情報を理解し、構造化してから整理します。これによって履歴書のフォーマット化や、営業進捗報告の作成など、単調な作業に余計な時間を取られる必要がなくなります。実際に人材紹介会社の履歴書のリフォーマットや、ホテルのパスポート管理などで業務の効率化を実現したという事例が紹介されました。
また、平野氏によると技術者不足への対策として、Cinnamonではベトナム・ハノイを拠点としたAIラボで年間20人のAIエンジニアを養成する体制を整えているとのことで、数年以内に1,000人規模の東南アジア最大となるAIラボに育ててていきたいともお話されました。
他にもCinnamonの製品としては、自然言語に対応したチャットボットScuro Botや、高い精度を実現するレコメンデーションエンジンLapis Engineなどがあります。また技術的なサービスの提供だけでなく、技術を実際のビジネス課題に結び付けるコンサルティングサービスを行っています。
ゲノム編集をもっとアクセスしやすい技術に―セツロテック
SetsuroTech(セツロテック)はゲノム編集技術を活用した徳島大学発のバイオテクノロジー系ベンチャーです。ゲノム編集技術とは簡単に言うと遺伝子を書き換えるようなものということで、身近なところだとペットの毛や大きさなどを変化させるようなことがゲノム編集によって可能になります。セツロテックCFOの竹澤氏によると、セツロテックでは高い確率でゲノム編集を成功させる技術を持っているとのことです。
竹澤氏のお話によると、日本の創薬市場は現在1.2兆円規模となっているそうですが、ゲノム編集を用いた創薬は100億円程度。そのため創薬だけではなく、技術力を高めていき、将来的には農業や畜産業、生産業などにゲノム編集の技術を使えるようにしていくというのがセツロテックのビジョンです。
実際にセツロテックでは豚のゲノム編集を行い、筋肉の割合が多い「お肉たっぷり豚」という豚を開発したそうです。脂分が少ないためヘルシーな肉となり、ダイエット中の方へ向けブランディング化していきます。他大学の研究などでは、魚類・虫も実際にゲノム編集が行われており、肉の多い鯛や独自の糸を吐く蜘蛛などが開発されました。
これらを自らで売っていくのではなく、農家や工場などの分子生物学を使うことのできない方に向けて売り出していくとのことです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
AI、ゲノム編集と2社ともに最先端の技術を使っていました。
以上で9社の紹介が終わりましたが、身近なサービスから最先端技術を用いたサービスまで、それぞれ個性的で将来性の高いサービスを提供していましたね。
9回目となる次回の開催も非常に楽しみです。
登壇者のみなさまは本当にお疲れさまでした。
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