【イベントレポート】Leaper’s Meetup in Umeda #2 ~新規事業担当者のための「知の共有」~

 addlight journal 編集部

企業内で新規事業を推進する担当者にとって、新たな価値を生み出す挑戦は、大きなやりがいがある一方で、多くの壁に直面する仕事でもあります。既存事業との兼ね合い、社内の意思決定、限られたリソース――。思うように前へ進めず、孤独を感じる場面も少なくありません。
株式会社アドライトは、そんな挑戦者たちを「Leaper」と呼び、新規事業やイノベーションに取り組む人同士が学び合い、つながるコミュニティ「Leaper’s Meetup」を開催しています。

2026年7月29日(水)、大阪・梅田「FUTRWORKS」にて開催された「Leaper’s Meetup in UMEDA #2」では、関西電力株式会社から”出向起業”という形で独立し、株式会社イノスタを創業した代表取締役・梅林英貴氏をゲストに迎えました。
「支援者」から「当事者」へ転じた背景、売上ゼロから事業を軌道に乗せるまでの苦悩、そして大企業発の新規事業を前進させるために必要な視点とは何か。当日のセッションとディスカッションの内容をレポートします。


「支援する側」から「挑戦する側」へ──出向起業という決断

梅林氏は関西電力で法人営業を経験した後、イノベーション推進部門へ異動し、CVCの運営や社内起業制度の企画・運営に携わってきました。
数多くのスタートアップや社内起業家を支援する立場として充実した日々を送る一方で、次第にある思いが強くなっていったといいます。

「挑戦者を支援しているが、自分自身は本気で事業創出に向き合えているのだろうか。」

その問いへの答えとして選んだのが、「出向起業」という道でした。
社内公募制度を活用し、外部VCであるGlobal Catalyst Partners Japan(GCPJ)の100%出資を受け、2024年8月に株式会社イノスタを設立。関西電力に籍を残したまま、新会社の経営に挑戦しています。

一方で、起業直後はオフィスもなく、自宅で仕事を始めるところからのスタートでした。会社用PCの調達から契約業務まで、これまで会社が当たり前に担ってくれていた環境が一切なくなり、「想像以上の孤独を感じた」と当時を振り返りました。


売上ゼロの日々。14の事業アイデアを経て見つけた突破口

創業後、梅林氏は中途採用支援、新卒オンボーディングなど14もの事業アイデアを検証しました。
しかし、売上は思うように立たず、ゼロが続く日々。
そんな状況を変えたのが、自身の経験と専門性を活かした「電源開発支援事業」でした。
まず関西電力社内でPoCを実施し、一定の手応えを得た後、試作段階から積極的にコールドメールで営業活動を開始。さらに、これまで培ってきた再生可能エネルギー領域のネットワークを最大限に活用し、専門人材と企業をつなぐ伴走支援を展開しました。
結果として事業は急成長し、2027年3月期には4,000万円を超える売上を見込むまでに拡大しています。

梅林氏は、この経験を通じて「0→1」と「1→10」では必要な考え方が大きく異なると語りました。
事業立ち上げフェーズでは、「知識だけでなく、これまでの経験や人脈が大きな武器になる」と話します。そして苦しい時期を支えてくれる仲間や相談相手の存在が、挑戦を続ける原動力になると振り返りました。

一方、事業拡大フェーズでは、「とにかく行動し続けること」が重要だといいます。動き続けることで新たな協力者との出会いが生まれ、すべてを自分一人で抱え込まず、外部の専門家や仲間へ任せることも成長には欠かせないと語りました。


パネルディスカッション──新規事業を突破するための「3つの問い」

後半は参加者とのディスカッション形式で進行し、大企業で新規事業に携わる担当者ならではのリアルな悩みについて議論が交わされました。

「自社でやる意義」はどう考えるべきか

参加者から最も多く寄せられたテーマが、「なぜ自社がやるのか」という問いでした。
梅林氏は、まず既存事業との接点を整理することは重要だとしつつも、「最初から完璧なストーリーを作ろうとしても、市場は動かない」と話します。

まず市場で成果を出し、その結果をもとに社内へストーリーを組み立てるほうが、結果として説得力が増すケースも多いと自身の経験を共有しました。

承認が得られないとき、どう向き合うか

新規事業では、上層部から承認が得られず前に進めないケースも少なくありません。
その際に重要なのは、相手が何を懸念しているのかを理解すること。
単に資料を整えるだけでなく、決裁者の価値観や判断基準を理解し、社内調整を重ねる「泥臭いコミュニケーション」が欠かせないと語りました。

また、撤退基準については、「限られた時間と資金を本当にこの事業へ投資できるか」を経営者視点で判断することが重要だと説明。自身も将来的な可能性を感じながらも、時間制約から断念したアイデアがあったことを率直に明かしました。

出向起業だからこその葛藤

最後に語られたのは、出向起業という制度ならではの課題です。
出向起業では、自ら会社を経営しながらも株式を保有していないため、企業価値向上が直接的なリターンにつながりにくいという難しさがあります。

一方で、給与や雇用が守られた状態で挑戦できるメリットもあり、制度としては非常に魅力的だとも語ります。

今後さらに出向起業を広げるためには、ストックオプションなど経営者インセンティブの仕組みも含めた制度設計が必要ではないかとの考えを示しました。


「自分の当たり前」が新しい価値になる

セッションの終盤で梅林氏が繰り返し語っていたのが、「自分の強みを棚卸しすること」の重要性でした。
大企業では当たり前になっている知識や経験も、一歩外へ出れば希少な価値になることがあります。
新規事業は、まったく新しい能力を身につけることだけではなく、自分自身や自社が持つ資産を新しい市場でどう活かすかを考えることでもあります。
梅林氏の経験は、そのことを改めて参加者へ示していました。


おわりに

今回の「Leaper’s Meetup in UMEDA #2」を通して印象的だったのは、梅林氏が成功談だけではなく、売上ゼロの日々や事業撤退の判断、起業後の孤独まで包み隠さず共有していたことでした。
新規事業に正解はありません。
だからこそ、同じ挑戦を続ける仲間と出会い、経験を共有し、知見を交換できるコミュニティの存在には大きな価値があります。

アドライトでは今後も、関西エリアを中心に「Leaper’s Meetup in Umeda」を継続開催し、新規事業に挑戦するLeaperたちが学び合い、互いに刺激を受けられる場づくりを進めてまいります。


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詳しくはこちらの記事をご覧ください。https://journal.addlight.co.jp/archives/hondasalesoperationjapan/

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次回イベント

  • 2026年9月15日(火)16:00〜17:30
    Leaper’s Meetup in UMEDA vol.3 開催予定

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