【アフリカFinTech】M-PESAを活用したアフリカスタートアップとビジネスが生まれる場所

 addlight journal 編集部

こんにちは。今回は、弊社が主催する6月13日のイベント「アフリカスタートアップトレンド – Fintechを中心に(Trend Note Camp #7)」に向けて、アフリカのスタートアップ事情について少しご紹介したいと思います。メディアでは注目されることがまだまだ少ないアフリカですが、実はテクノロジー系スタートアップの成長が著しく、続々と新しいサービスが生まれています。

アフリカスタートアップの成長を牽引する

こちらはアフリカに存在しているベンチャー企業の数を表している図です。思った以上に多いと感じられているのではないでしょうか。その中でアフリカスタートアップの成長のキープレイヤーとなっているのは果たしてどういったサービスなのでしょうか。

for Africaに登録されているベンチャーの数

出典:VC4Aホームページ https://vc4a.com/ventures/

その答えの一つは間違いなくM-PESAという決済システムでしょう。アフリカでは地方に行けば行くほど銀行がありません。そのため貨幣がうまく流通していない地域が多くある一方、携帯電話が普及していました。そこで2007年、Vodaphon Group(ボーダーフォングループ)の子会社Safaricomというケニアの携帯会社と、ケニアの大手銀行Commercial Bank of Africa(CBA)が、多くの人にお金を使ってもらうために誕生したのがM-PESAです。

M-PESAとは何なのか?

イメージがわくと思いますので、まずは、M-PESAのコマーシャルをご覧ください。

M-PESAは、インターネット回線を使わず、Safaricomの携帯回線を使うことで、どこでも利用できるシステムです。ユーザーは相手の携帯番号に対しての送金、代理店にて現金引き出し、通話料の購入、貯金やローンを組む銀行口座の利用、また、各種支払や決済なども行うことができます。ケニアではなんと国民の70%以上が利用しているとされ、ケニアのGDPの4割以上がM-PESAによって取引されているほど普及しています。スマートフォンでの利用は可能ですが、スマートフォンは特に農村部の人々にとっては高価なものであるため、通話とテキストメッセージのやり取りが中心のフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)から多くの人がM-PESAを利用しています。

このようにM-PESAがあれば、都市部の銀行にお金を引き出しに出かける必要もなくなり現地ではかなり重宝しているようです。

次に、今回はこのM-PESAを利用したアフリカの代表的なスタートアップとスタートアップコミュニティーについてご紹介します。

電気を届けるDigital Grid株式会社

アフリカのタンザニアで活動する日本人経営者によるスタートアップ企業です。2016年8月時点で、タンザニア・セネガル合計で650店舗のキオスクと契約をしている現在成長中のベンチャーです。M-PESAの普及率を利用して、農村地域の多くの人々に電気を届ける事業を手がけています。ソーラーパネルで発電した電力を、キオスクに設置したUSBポートに蓄電し、M-PESAで決済をした顧客に電力を供給するというビジネスを行なっています。

 

出典 Digital Grid ホームページ (http://wassha.com)

アフリカベンチャーの成長を支えるコミュニティーVC4A (Venture Capital For Africa)

アフリカのベンチャー起業家に投資する、投資家のためのコミュニティーです。投資家と起業家の会合やビジネスモデルのメンター、イベントなどを盛んに行っており、アフリカビジネスについて多くの情報が詰まっている場所です。多数の団体・組織が登録しており、アフリカでは非常に大きなネットワークです。

出典 VC4Aホームページ (https://vc4a.com)

アフリカのスタートアップネットワークを形成するAfrilab

起業家、技術者、投資家などを繋げるコミュニティーです。アフリカ20カ国のうち50の支部があり、起業家のインキュベーションやアクセレーターを行なっています。主にテクノロジー系事業が中心で、新しい技術を利用したビジネスが作られています。また、アフリカ大陸中に支部があり、それぞれが情報の更新をし合っています。

以下のマップに支部の場所を示しされていますが、想像より多いことに驚かれている方も少なくないのではないでしょうか。

出典:http://www.afrilabs.com

今後が楽しみな成長著しいアフリカスタートアップエコシステム

今回ご紹介した記事以外にも、アフリカには多くのスタートアップ企業が存在しています。日本語の検索では引っかからないものがたくさんあるかと思われるためご存じない方も多くいらっしゃることかと思いますので、今後もご紹介していきたいと思います。

また、6/13(火)のイベントでは、イベントではFintechを中心としたアフリカのスタートアップ最新情報を提供しますので、ご興味のある方はこちらのイベントページから是非お申込みください。

※本記事、その他お問い合わせに関しては、こちらよりお気軽にご連絡ください。