【インタビュー】第18回川崎国際環境技術展 出展者紹介 Vol.1

 addlight journal 編集部

世界中でカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが加速する中、川崎市は、脱炭素社会の実現と持続可能な経済成長の両立を目的として、2025年11月12日・13日に「川崎国際環境技術展」を開催します。本展では、ビジネスマッチングを通した、出展者・来場者の新事業展開・販路開拓等を支援します。開催18回目となる今回は、「サーキュラーエコノミーが創造するビジネスの可能性」をテーマに掲げ、120の企業・団体が出展する予定です。

この度、アドライトは、川崎市と連携し、本展におけるビジネスマッチングをご支援させていただくことになりました。そこでaddlight  journalにて、川崎市に拠点をおく特に注目度の高い10社にお話を伺い、全3回にわたってご紹介したいと思います。 第1回目となる今回は、3社のご紹介です。

株式会社Nobest
–代表取締役 石井 宏一(写真下)

2022年4月22日(地球の日)に設立された環境系ITスタートアップ企業。「技術を使って人も自然も救う」というミッションを掲げAIやIoT、量子コンピューター技術を活用した「電気を買わない家」の実現を目指す。 

公式サイト:https://nobest.jp/

複数の太陽光発電所の保守・管理業務を気象×AI一元管理 

– – 川崎国際環境技術展で出展される製品・サービスについて教えてください。

複数の太陽光発電設備をインターネット経由で一元管理できる「Nobest IoT」を展示します。本製品は、「Nobest IoT」という特許技術「CAEOS」を搭載した基幹システムに対して、各発電所・設備に設置するRFIDタグ「NI Tag」や、異常検知を行う電流センサー「NI Station」、センサーの子機「NI Clamp(交流用、直流用の2種)」を組み合わせ、太陽光発電設備で生じた異常や故障をリアルタイムに遠隔検知するシステムです。

太陽光パネルで発電した直流電力は、パワコンを経由し、交流電力に変換して各所に供給されますが、この過程で生じる異常をNI StationNI Clampが検知し、Nobest IoTが故障を分析・通知する仕組みとなっています(下図参照)。 

– –「Nobest IoT特徴、独自性(類似製品に対する優位性)について教えてください。 

1点目は、「CAEOS(2021年に特許取得)」が組み込まれていることです。過去10年分と未来1ヶ月分の気象データが保持されているため、天気を要因とする設備異常を正確に検知し、天気状況による発電量の減少等も詳細に把握することができます。 
2点目は、「Nobest IoT」が、複数の発電所をひとつの画面で一元管理できる点です。通常は、発電所ごとに複数のセンサーを設置して発電状況をモニタリングするため、センサー数に比例してモニタリングする画面も増加しますが、Nobest IoT1画面での管理が可能です。加えて、複数他社の遠隔監視システムを利用している場合も、1台のモニタリング画面に集約することが可能なため、保守・管理業務の負担を大幅に軽減することができます。 

– – どのような来場者様とのマッチングを希望されるか教えてください。

特に、数十か所、数百か所の発電所を管理されている保守管理(O&M会社のご担当者様とお話させていただきたいです。「Nobest IoT」のメリットをより強く感じていただけると思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 

 

株式会社micro-AMS
–取締役 CBO 村田 知哉(写真下)

樹脂成形関係のマイクロ波成形機器開発販売、およびマイクロ波成形品販売を手掛ける企業。マイクロ波成形を熱可塑性樹脂成形のデファクトスタンダードにすることで、プラスチックの成形において新たな樹脂成形品の在り方、金型レス化による大幅なコストダウンの実現を目指している。

公式サイト:https://micro-ams.co.jp/

 独自特許を保有するマイクロ波成形技術で樹脂成形品の新たな価値提案を実現

– – 川崎国際環境技術展で出展される製品・サービスについて教えてください。

当社が開発している「マイクロ波成形技術」での成形品サンプルを展示します。本技術は、マイクロ波を、シリコーンの特殊ゴム型に充填させた熱可塑性樹脂に照射することで樹脂の融解から成形を行う技術です。「電子レンジのようにチンするイメージ」で、樹脂部品の成形を行うことができます。射出成形における成形工程で使用する金型が不要になるため、少量生産品目の大幅なコストダウンと製造期間の短縮が実現できるだけでなく、デザイン変更の柔軟性と形状や設計の自由度も拡大します。金型を使わずに短期間で少量生産が可能な点は3Dプリンターも同じですが、使用できる樹脂の種類が限定的です。幅広い種類の樹脂成形が可能な点も、本成形技術の強みだと思います。(下記参照)。

– – 「マイクロ波成形技術」の特徴、独自性(類似製品に対する優位性)について教えてください。

マイクロ波成形による樹脂成形技術は前身となる企業が世界で初めて発明し、特許を取得しました。ただ当時は、成形時間の長さや照射のばらつきに起因する成形品品質のムラが課題でした。現在、これらの課題をクリアできるよう、新型機の開発と技術の向上を進めています。シリコーンゴム製の型の材料配合も独自開発です。金型レスの熱可塑性樹脂成形が実現すると、射出成形の段取り替えで発生する廃棄樹脂も97%以上削減できることから、製造過程における環境負荷を大幅に削減することも可能です。

– – どのような来場者様とのマッチングを希望されるか教えてください。

試作品の製造や少量多品種生産品、または特殊な樹脂部品の設計が求められる用途で本技術のよさを実感いただけると思います。特に、半導体の製造装置と製造装置の樹脂部分を製造されているメーカー様とお話をさせていただきたいです。本成形機の強みであるデザインの自由度を活かしていただけるアイデアをお持ちの企業様も大歓迎です。

 

株式会社アリスミ21
–営業部 田中 光弘

プラスチックダンボールをはじめとする梱包資材の販売・製造・レンタル、物流のアウトソーシングサービスを提供。物流過程で使用される業務用梱包資材の回収と再利用を通じて、資源循環型社会への貢献を目指す。 

公式サイト:https://www.arismi21.co.jp/

 物流資材の再利用を通じ循環型資源社会に貢献 

– – 川崎国際環境技術展で出展される製品・サービスについて教えてください。

当社が手がける物流・梱包資材の循環型リサイクル(下図参照)」を紹介します当社は、梱包資材商社としての特性を活かし、業務用物流資材の回収と再生を通じた循環型物流モデル構築支援に取り組んでいます大型の物流拠点を有するお客様を対象に廃棄される梱包資材の循環スキーム構築支援させていただくことで、廃棄物削減と資源循環を両立するサステナブル物流を広めていけたらと考えています。 

– – 「物流・梱包資材循環型リサイクル」サービスの特徴、独自性(類似製品に対する優位性)について教えてください。

梱包資材商社としての製造・販売ネットワークを強みに、多拠点での資材回収が可能なことと、多様な業界のお客様のニーズに対応ができる点だと思います。直近では、医療用医薬品売業を営む株式会社メディセオ物流拠点で、輸送時の荷崩れ防止に使用するストレッチフィルムの循環モデルを構築させていただきました。廃棄されてきたストレッチフィルムを回収・再生し、同社の複数拠点で再利用することで、焼却処理によって排出される温室効果ガス(CO2)を年間で約3t削減できます。 

– – どのような来場者様とのマッチングを希望されるか教えてください。

物流・流通拠点をお持ちの企業とお話ししたいです。多数の回収パートナーと提携しておりますので、拠点や地域は限定しておりません。ご紹介させていただいたメディセオ様との取り組みは、昨年の川崎国際環境技術展での出会いをきっかけとして始まったものですが、スキームをご提供したのは同社の埼玉の物流拠点になります。 

循環型の社会に貢献したいけれどどこから手をつけたらよいか分からない、というお悩みをお持ちのご担当者様も大歓迎です。商社としての提案力を活かし、ニーズに合った幅広いソリューションをご提供できればと思いますので、お気軽にお声がけください。