企業は、常に景気や市場ニーズの変化に対応していく必要がある。既存事業に依存していては、最近の流行に乗り遅れ、たとえ優れたサービス・製品であったとしても衰退していくことは避けられない。そのため、企業規模の大小に関わらず、各社は新規事業の立ち上げに力を入れる。

しかし、新規事業立ち上げには失敗した場合のリスクが伴うことから、新規事業の立案・着手に対してネガティブな印象を持つ社会人も少なくない。特に、新しい事業を創出した経験がない人にとっては、より難しいことに感じられてしまうだろう。

本記事では、新規事業開発に関連した悩みを抱えている方々の一助となるべく、新規事業開発マネジメントを扱う書籍を7冊紹介する。是非とも、ご自分の悩みを解消するうえで最適な一冊に巡り合っていただきたい。

ビジネスモデルから学びたい、初心者向け書籍

『ゼロからつくるビジネスモデル』

書籍リンク: https://str.toyokeizai.net/books/9784492534175/
価格：3300円（税込）
出版社：東洋経済新報社
発行日：2019年11月

『ゼロからつくるビジネスモデル』は、ビジネスモデル策定のフェーズで、教科書のような役割を果たす一冊である。

日本におけるビジネスモデル研究の第一人者である著者によって、事例を交えながら、読者が実践しやすい形で学べるように丁寧な説明がなされている点が特徴である。実際、読者の口コミでは、分かりやすさの面で高く評価されている。

本自体は四部構成であり、アイデア創出からビジネスモデル構築、事業の循環までを、まさしくタイトルの通り「ゼロから」詳細に示している。基礎からしっかりと学びたい方におすすめしたい書籍である。

ただ、注意点としては、ページ数が500ページ程あるので、完読するのには少々時間がかかると考えられる。そのため、ゆっくりと読み進める時間が確保できない場合には、興味のある事例について扱っている箇所をつまみ読みし、残りの部分はあとから読むようにするという方法が効果的だと考えられる。

『この一冊で全部わかるビジネスモデル』

書籍リンク：https://www.sbcr.jp/product/4797392777/
価格：1760円（税込）
出版社：SB Creative
発行日：2020年11月

『この一冊で全部分かるビジネスモデル』は、ビジネスモデルを網羅的かつ順序立てて説明しており、ビジネスモデル学習における入門書としておすすめできる一冊である。

対象読者としては、新規事業を立ち上げたいと考えている人、あるいは既存事業を見直したい人、学生及び新社会人をはじめとする幅広い層の人々を想定している。そのため、多様な読者からの支持を得ている。

本書は三部構成となっている。第一部では、ビジネスモデルの基本について、概念や成り立ち、根本的な考え方も含めて丁寧に学ぶ。続いて第二部では、ビジネスモデルの成功例を63パターンに分類したうえで、図鑑としてまとめあげている。最後に第三部では、既存のビジネスモデルの改革方法及び新規のビジネスモデルのを創出方法について解説している。

ビジネスモデルの基礎知識は、すべての人にとって必須のものであり、本書を読んで得た事柄は即時に役立つことだろう。

ビジネスモデルの基本、成功例、さらに新たなビジネスモデルの創出方法を一気に学びたい人にとって最適な書籍である。

新規事業立ち上げを任された人に向けて

『改訂新版 超図解！ 新規事業立ち上げ入門』

書籍リンク：https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-1210359
価格：990円（税込）（紙書籍の価格）
出版社：幻冬舎メディアコンサルティング
発行日：2022年6月

『改訂新版 超図解！ 新規事業立ち上げ入門』は、2017年4月に発行された『新規事業開発ハンドブック』が実践的にリニューアルした一冊である。

数多くの新規事業プロジェクトに関与して成功へと導いてきた著者が、培ってきた経験とノウハウに基づいて、新規事業の立ち上げのポイントを徹底的に解説していることが魅力的な点である。

本書では、図表が多く用いられているため、見やすさにもこだわられている。また、聞き慣れないビジネス用語に対しても丁寧な解説がされているので、事前知識がない読者が学びやすくなるような配慮がされている。

新規事業の立ち上げを任されたものの、「どういった手順で進めていくのが良いのだろうか」「失敗しないために気を付けるべき点はなんだろうか」と頭を悩ませている人は少なくない。そのような方々にとって、7つのステップを通して理論から実践まで網羅することを可能にした本書を読むことは、新規事業プロジェクトを進めていくうえで大いに役立つだろう。

したがって、新規事業立ち上げや起業で迷ったら、まず読むべき一冊としておすすめさせて頂きたい。

『最速の90日！新規事業成功バイブル 「君に任せたよ」と上司に言われたら……』

書籍リンク：http://www.gendaishorin.co.jp/book/b487395.html
価格：1980円（税込）
出版社：現代書林
発行日：2020年2月

『最速の90日！ 新規事業成功バイブル 「君に任せたよ」と上司に言われたら……』は、タイトルの通り、新規事業の立ち上げを上司から任されて、どこから着手するべきなのか迷っている人におすすめの一冊である。

本書は、Part1からPart5で構成されており、新規事業企画において抑えておくべき項目を網羅している。より具体的に内容に触れると、アイデア発想法や市場調査、ビジネスモデル構築、事業計画書作成、決済者へのプレゼン、そして事業計画の見直しまでの最速の手順を紹介している。

このように、90日間で事業計画書をまとめあげるまでを詳細に解説しているので、新規事業の進め方に困っているビジネスマンの支えとなる書籍である。

本書を読めば、上司からいきなり呼び出され、「君、例の新規事業の件、どうなった？」と問い詰められても安心である。

『新規事業ワークブック』

書籍リンク：http://www.horei.com/book_978-4-86280-548-5.html
価格：1650円（税込）
出版社：総合法令出版
発行日：2017年4月

『新規事業ワークブック』は、大手起業各社（通信、電機メーカー、化粧品、フィットネス、広告、自動車メーカーなど）で公式テキストとして採用されている書籍である。

著者は、リクルート社の新規事業開発室マネジャーとして7年間で1000件もの新規事業案に携わり、「All About」の創業メンバーとして起業にも携わってきた、新規事業立ち上げのプロフェッショナルである。

最大の特徴は、本文に収録した数々のワークシートを活用することで、全くアイデアがないところからスタートし、プランとしてまとめ、社内を通すための事業案を作成するところまでの過程を、自身で実践できる点である。業種業態・規模・歴史を問わず、様々な企業に有効な手法が掲載されている。

本書は、事業創出に携わる人にとって最高のサポーターであり、豊富な経験に裏付けされた超実践的な新規事業指南書である、と評価されている。思考停止しがちなポイント、迷走しそうになるポイントについても丁寧に説明しながら展開するので、新規事業創出をするにあたって、これまでの経験や知識が活かせずに悩んでいる人々にもおすすめできる一冊である。

起業経営者、マネジメント層におすすめの書籍

『グロービスMBA事業開発マネジメント』

書籍リンク：https://www.diamond.co.jp/book/9784478012130.html
価格：3080円
出版社：ダイヤモンド社
発行日：2010年3月

『グロービスMBA事業開発マネジメント』は、グロービスMBAシリーズの第14弾として出版された。ベンチャー起業家や社内起業家、あるいはそのサポーターや関係者などを読者として想定し、書かれた一冊である。

今成功している有名企業は、どのようにして事業を立ち上げ、軌道に乗せることができたのか。そのノウハウに迫り、事業コンセプトの企画・開発、ビジネスプランの作成、資金調達、組織デザイン、成長戦略の構築、マネジメント・システムの確立など、事業を立ち上げて成功に導くための実際的な方法を解説している。

理論と実践のバランスが取れており、難易度の高い内容を非常に分かりやすく説明している点も、本書の特徴だ。新規事業のスタートアップや新会社の設立に不可欠な要件を分析している本書は、ビジネスリーダー必読の一冊である。

『御社の新規事業はなぜ失敗するのか？   企業発イノベーションの科学』

書籍リンク：https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334044572
価格：924円（税込）
出版社：光文社
発行日：2020年2月

『御社の新規事業はなぜ失敗するのか？ 企業発イノベーションの科学』は、新規事業の失敗を防いで成功へ導くロードマップを懇切丁寧に説明している一冊である。

本書の著者は、ベストセラーである『起業の科学』の著者でもある。本書においては、企業内におけるイノベーション創出における失敗の99%を防ぐことができるという、８つのステップを提示している。

また、日本企業がイノベーションを起こし続けるためのカギは、「３階建て組織」にあると主張する。

なぜ新規事業には、ネガティブなイメージがつきまとっているのだろうか。また、なぜ実際、たいていの新規事業はうまくいかないのだろうか。このような現状を変える方法を本書では明らかにしている。

田所氏による3階建て組織の解説を読みたい方、もしくは、新規事業創出の重要性にすでに気が付いてはいるものの、なかなか一歩を踏み出すことができず、躊躇してしまっている方におすすめの書籍である。

終わりに　

以上が、本記事にて紹介させて頂く書籍である。ご自身が置かれている状況に柔軟に合わせて、手元に揃えておく書籍を更新することをおすすめしたい。
本記事で紹介した書籍を読むことで、新規事業開発マネジメントに悩めるビジネスパーソンの背中を押すことができれば、誠に幸いである。

また、最後に、アドライトが開催しているプログラムについて紹介させて頂く。
新規事業化支援総合プログラム「イントレプレナーズ」とは アドライトが提供する、事業会社向けの新規事業化の総合支援プログラムである。 戦略〜人財育成〜事業化をインキュベーションマネジメント支援、イノベーション人材育成支援、事業 開発伴走支援の3つのサービスで一気通貫して実行し、社内から継続的に事業が生み出され続ける体制構築を実現する。本記事にて紹介した書籍に加えて、こちらのプログラムについてもご活用して頂きたい。

詳細はこちら https://www.addlight.co.jp/intrapreneurz/