【イベントレポート】企業の垣根を超えてイントレプレナーが集う「Leaper’s Night」を開催

 addlight journal 編集部

企業内で新規事業を推進する「イントレプレナー」にとって、既存の組織文化やビジネスモデルの枠を超えた新たな価値創造への挑戦は、時として孤独な戦いとなりがちである。しかし、同じ志を持つ者同士が企業や業界の垣根を越えて集い、共通の課題を共有し、知見を交換する場があるとしたらどうだろうか。

2025年5月、そんな貴重な機会を提供するネットワーキングイベント「Leaper’s Night(以下「リーパーズナイト」)」が開催された。本イベントは、日本の大手企業で新規事業に挑むイントレプレナーたちが一堂に会し、率直な情報交換と相互連携を深めることを目的としている。参加者からは「同じ悩みを持つ仲間との出会いが何よりも価値があった」「他社の取り組みから多くのヒントを得られた」といった声が聞かれ、単なる名刺交換を超えた深い繋がりが生まれる場となった。

本記事では、リーパーズナイトの概要と開催の背景、そして参加することで得られる具体的な価値について詳しくご紹介する。

Leaper’s Night(リーパーズナイト)とは

リーパーズナイトは、新規事業創出や社内ベンチャー制度構築、イノベーター人材育成等の分野で豊富な実績を持つアドライト社が主催するイントレプレナー主体の交流イベントである。

本イベントでは、これまでアドライト社と接点のあった事業会社のイントレプレナーならびに新規事業開発に関連する部署に限定して参加者を募集した。これにより、営業活動や自社サービスの宣伝といった要素を排除し、純粋に新規事業推進における課題解決と相互支援に特化した議論が可能となっている。事業会社の新規事業開発を次のステージへ押し上げるため、真の共創を目指し、自社や業界の枠を超えて新規事業を前進させる人材同士の継続的なネットワーク構築を支援している。

2025年5月に開催された第一回目は、18時の開始から20時の閉会まで、密度の濃い2時間のプログラムが組まれている。オープニングオリエンテーションでは、イベントの趣旨説明が行われ、続く海外事例紹介では、アドライトCEO木村からニューヨークやロンドン、ベルリンなど海外の新規事業最前線の動向が共有された。次に、九州大学徳久悟准教授による特別講演では「企業におけるAIエージェントの活用の可能性」をテーマに、最新のテクノロジー活用についての知見が提供された。

プログラムの後半は交流会に重点が置かれ、まず参加企業紹介で各社の取り組みが共有された後、軽食とドリンクを囲みながらの本格的な交流会が開始された。交流会では、「自社の新規事業開発における重要な問題とその解決へ向けてチャレンジしていること」をテーマにディスカッションが行われた。共通テーマでお互いの状況を話すことで相互理解を深めるとともに、出会いを通じより多くの情報に触れる機会となった。

最後のフリータイムでは、より自由なネットワーキングが行われ、具体的な連携の可能性を探る場となった。

大企業における新規事業の現状と課題

そもそもリーパーズナイトを主催するに至った、アドライト社の課題意識についても共有したい。

近年、日本の大企業が新規事業に取り組む重要性が広く認識されている背景には、海外における破壊的イノベーションの急速な進展と、日本経済の停滞という深刻な状況がある。ビッグテックの台頭をはじめとする海外での革新的な取り組みを目の当たりにし、既存市場の破壊と新たな価値創造の必要性が強く求められるようになった。

この10年間で、多くの大企業がオープンイノベーション、アクセラレータープログラム、社内イントレプレナー制度など様々な手法を導入し、社内からの破壊的イノベーション創出を目指してきた。しかしながら、ここ1〜2年でその動きにトーンダウンの傾向が見られるという指摘がある。

その主な要因として、これまで多大なリソースを投じてきたにもかかわらず、期待されたほどの成果が現れていないことが挙げられる。新規事業が既存事業から大きくかけ離れた「飛び地」的な領域を目指す場合、大企業が本来持つ強みであるアセットを有効活用することが困難になるという構造的な課題がある。

加えて、人材や資金といったリソースの配分において、投資対効果の明確な既存事業と、まだ成果の見通しが立ちにくい新規事業との間で軋轢が生じやすいという現実的な問題も存在する。経営陣からの業績向上への圧力も相まって、結果として新規事業が既存事業の延長線上や既存アセットを活用できる範囲に収束してしまうケースが増加している。

このような状況は、非連続な成長を生み出すことを期待された新規事業が、結果的に連続的な成長の一部となってしまうという本末転倒な結果を招いている。こうした環境下で、社内のイントレプレナーや企画部門に従事する人たちは往々にして孤独な戦いを強いられることになる。

リーパーズナイト開催の背景と必要性

アドライト社は、これまで各企業の新規事業開発を支援する過程で、様々なフェーズや業種・業態を超えて、イントレプレナーたちが実は共通の課題や悩みを抱えていることを発見した。組織内での理解不足、リソース確保の困難、市場への参入戦略、事業化のタイミングなど、これらの課題は個別企業固有のものではなく、多くの企業に共通する普遍的な問題であることが明らかになった。

重要な点は、これらの課題が個々の企業が孤立して解決を試みるよりも、同様の悩みを持つ企業同士が情報交換や知見共有を行うことで、より効果的な突破口を見出せる可能性が高いということである。異なる業界や企業文化の中で培われた解決手法やアプローチは、自社では思いつかなかった新たな視点を提供し、課題解決の糸口となることが期待される。

しかしながら、業界や企業の垣根を超えた新規事業部門同士の継続的なつながりを提供できる場は、これまで日本にはほとんど存在しなかった。既存のイベントや勉強会の多くは、特定の業界に限定されていたり、営業色が強かったり、あるいは一回限りの交流に終わってしまうケースが大半であった。

このような状況を踏まえ、アドライト社はイントレプレナー間のネットワーク構築が、個々のイントレプレナーへの支援に留まらず、日本全体の新規事業の成功確率向上と経済活性化への重要な貢献になると確信し、「リーパーズナイト」という新たなプラットフォームを立ち上げるに至った。

リーパーズナイトが創出する価値

リーパーズナイトは、単発的な名刺交換の場を超越し、日本におけるオープンイノベーションエコシステムを根本から変革する可能性を秘めたプラットフォームとして機能している。

参加者同士の率直な情報交換とディスカッションを通じて得られる知見は、単なる情報収集を超えた深い学びとなる。他社の成功事例や失敗事例から得られる実践的な教訓、異なる業界のアプローチ手法、革新的な解決策のヒントなど、自社内では決して得ることのできない多様な視点に触れることができる。

さらに重要なのは、このような交流が一回限りで終わるのではなく、継続的な関係性の構築へと発展していくことである。参加者の多くが、イベント終了後も情報交換を続けたり、具体的な事業連携の検討を始めたりするケースが報告されている。これは、真の意味での共創エコシステムの萌芽と言えるだろう。

アドライトの強みが生み出すシナジー効果

リーパーズナイトの価値をさらに高めているのが、主催者であるアドライト社が持つ3つの強力なネットワークである。

第一のネットワークは、大手事業会社のイノベーションコミュニティである。新規事業やサステナビリティ担当者を中心に2万人を超える登録者数を誇るこのコミュニティは、日本の大企業におけるイノベーション推進の中核的な情報ハブとしての役割を果たしている。リーパーズナイトの参加者は、このより大きなコミュニティへのアクセス機会も得ることができる。

第二のネットワークは、成功に導く事業開発プロフェッショナルチームである。コンサルティングファームや事業会社出身者、Exit経験のある起業家など800名以上の専門家との提携により、参加者は必要に応じて高度な専門知識やノウハウにアクセスすることが可能となっている。

第三のネットワークは、事業共創を加速するスタートアップエコシステムである。国内5社のIPO支援実績や海外10社のM&AによるExit実績を持ち、国内外50機関以上の投資家やアクセラレーターとの連携を通じて、参加者の新規事業により広範囲なサポートを提供できる体制を整えている。

これらのネットワークが相互に連携することで、リーパーズナイトは単なる交流イベントを超えた、総合的な新規事業支援プラットフォームとしての価値を創出している

さらに、アドライト社は複数の地方自治体との共創事業にも積極的に取り組んでおり、参加企業にとって新たな事業機会となる可能性を示唆した 。具体的には、東京都主催の「Tokyo NEXT 5G Boosters Project」にアドライト社が採択され、次世代通信技術を活かしたスタートアップと大企業との協創による製品・サービスの開発を目指すプロジェクトが推進されている 。

また、和歌山県ではGXビジネス展開に関わる中小企業・スタートアップとの連携による県内事業展開を目指す「GXビジネスモデル創出事業」が 、川崎市では「川崎国際環境技術展」に出展するGX関連スタートアップをバックアップし、事業創出を目指す「グリーンイノベ創出事業」が展開されている 。

昨年度から継続プロジェクトとして、宮崎県とは農林水産業分野の新規事業創出を目指す「みやざきグリーンイノベーションプラットフォーム(みやざきGRIP)」を共同運営しており、アドライト社が持つ脱炭素ソリューションのSUITzプラットフォームを活用しながら連携を加速させている 。

これらの地方自治体との取り組みは、GXや5Gなどの先端技術領域における連携機会を大手企業にも提供し、新たな事業の可能性を広げるものであり、これらのリアルな状況など、生の情報を得られるのも、リーパーズナイト参加の意義と言える。

自治体のGXやDXの共創プロジェクトへの参入機会も

さらに、アドライト社は複数の地方自治体との共創事業にも積極的に取り組んでおり、参加企業にとって新たな事業機会となる可能性を示唆する 。具体的には、東京都主催の「Tokyo NEXT 5G Boosters Project」にアドライト社が採択され、次世代通信技術を活かしたスタートアップと大企業との協創による製品・サービスの開発を目指すプロジェクトが推進されている 。

また、和歌山県ではGXビジネス展開に関わる中小企業・スタートアップとの連携による県内事業展開を目指す「GXビジネスモデル創出事業」が 、川崎市では「川崎国際環境技術展」に出展するGX関連スタートアップをバックアップし、事業創出を目指す「グリーンイノベ創出事業」が展開されている 。

昨年度から継続プロジェクトとして、宮崎県とは農林水産業分野の新規事業創出を目指す「みやざきグリーンイノベーションプラットフォーム(みやざきGRIP)」を共同運営しており、アドライト社が持つ脱炭素ソリューションのSUITzプラットフォームを活用しながら連携を加速させている 。

これらの地方自治体との取り組みは、GXや5Gなどの先端技術領域における連携機会を大手企業にも提供し、新たな事業の可能性を広げるものであり、これらのリアルな状況など、生の情報を得られるのも、リーパーズナイト参加の意義と言える。

今後の展望と参加への期待

リーパーズナイトは、日本企業の新規事業創出力向上と、真のオープンイノベーション文化の醸成を目指す長期的な取り組みの第一歩である。第一回の成功を受けて、今後は定期開催を通じて参加者同士のネットワークをさらに深化させ、具体的な事業成果の創出につなげていく計画である。

新規事業に挑戦するイントレプレナーにとって、同じ立場で奮闘する仲間との出会いと継続的な関係構築は、単なる情報収集以上の価値をもたらす。新規事業推進において新たな突破口を模索している方々にとって、リーパーズナイトは極めて有意義な機会となることが期待される。企業や業界の枠を超えた真の共創を通じて、日本発の革新的な新規事業が数多く生まれることを願ってやまない。

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